日韓 善隣友好を 長崎で8自治体が共同声明 海峡知事会議 若者の雇用対策協議

共同声明文を発表する中村知事(右から4人目)ら=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 日韓海峡沿岸県市道交流知事会議が21日、長崎市であり、日韓8県市道の首長らが「日韓の政府間関係が難しい状況にあっても(中略)相互の信頼と善隣友好の精神を基にした連続性のある取り組みが必要」とする共同声明を発表した。
 日本側が長崎、佐賀、福岡、山口各県、韓国側は釜山広域市、全羅南道(チョルラナムド)、慶尚南道(キョンサンナムド)、済州(チェジュ)特別自治道で構成。1992年から持ち回りで毎年開催し、共通の課題について話し合っている。本県開催は8年ぶり。知事・市長と代理人が出席した。本県の中村法道知事は「両国政府の関係が難しい状況だからこそ地域間交流を発展させ、友好と信頼の絆を強固にしなければならない」とあいさつした。
 今回は若者の雇用対策がテーマ。各自治体の課題や取り組みを報告し、意見を交わした。中村知事は8県市道が協力して若者の地域定着を目指す事業を提案。自治体実務者が話し合いを進めることで合意した。
 同会議は会見を開き声明を発表。釜山広域市が7月、日本との行政交流の中断を表明したことについて記者団に問われ、呉巨敦(オゴドン)市長は「(日韓首脳の)前向きな対話の雰囲気が出てきた。地方や民間の交流は中央政府の対立とは関係なく持続的に続かなければならない」と述べた。韓国人観光客が減少した対馬について金慶洙(キムギョンス)・慶尚南道知事が「政府の指示で減少したわけではない。凍り付いた韓国国民の心をどう溶かせるか、首脳会談やさまざまな事業で解決が望まれる」と話した。

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