6万円でドバイ往復も可能、「まだ間に合う」年末年始9連休の海外旅行先

平成から令和に切り替わった2019年のゴールデンウィークは最大9連休となり、せっかくの長期休暇を楽しみたい人で海外旅行熱が盛り上がりました。令和初の年末年始となる2019年から2020年にかけての正月も曜日の配列がよく12月28日(土)から1月5日(日)まで9連休をとれる人も例年より多く、やはり海外旅行が盛り上がりそうな勢いです。ですが、年末がさしせまったこのタイミングでもまだ予定がまったくない&海外はどうせ高いからムリ、、と考えている方も少なくないのではないでしょうか。ちなみに調査時点で12月28日出発、1月5日のホノルル往復直行便の最安値を調べると、成田発ではハワイアン航空が往復22万円、関西発のエアアジアが約15万円でした。たしかに高いですね。

そこで今回は直前でも安く行ける海外旅行の行き先を紹介したいと思います。
※記事に登場する航空券の価格などはすべて2019年12月中旬現在のもので、燃油サーチャージや諸経費などが込みの金額です。


「妥協」は必要

まず最初に出鼻をくじくようですが、ピーク時でなおかつ直前ですからあっと驚くような安い航空券はないと思ってください。必要なのはずばり一言「妥協」です。

「妥協」のなかでも一番効果があるのは日程をずらすこと。どうしても12月28日(土)の日本出発や1月5日(日)の日本帰着は人気が高く、集中しがちです。そこで数日ずらすだけでもかなり安くなります。ずらすといっても勤め人の方では仕事納めや仕事始めに不在というのは気がひけるでしょう。ですが日本帰着を早めにするなど旅行期間を少し短くする分には問題がありません。幸い今年は休みが長いので多少短くしてもなお旅行期間が確保できます。

次に行き先です。行き先をハワイなどと言い出すと天文学的に高い金額を払わなければなりません。しかしとりあえずせっかくの長い休みなんだから「海外に行ければいいや」と「福袋」を購入する感覚で臨めば、かなり安くあげることができるでしょう。

最後に航空会社や所要時間、経由の有無などです。人気の航空会社や直行便などはどうしても高くなってしまいます。この際細かいことには目をつぶりましょう。

こうした条件を考慮したうえで、おすすめの行き先を紹介したいと思います。

1.成田発ドバイ往復約6万円(中国南方航空)
12月28日(土)発 1月7日(火)着

○ ドバイは涼しい時期でベストシーズン
× 日本帰着が1月7日(火)と遅い・所要時間が往復70時間必要

年末年始はどうしても高くなりますが、この航空券が素晴らしいのはなんといっても価格。通常の時期とさほど金額差はありません。所要時間がやたら長いのは往路に深センで約23時間、復路に武漢で約22時間の乗り継ぎがあること。しかしこれも「深セン+ドバイ+武漢の三都物語」と考えればよいだけのことです。

2.成田発ヌルスルタン(カザフスタン)往復約6万3,000円(SCAT航空)
12月28日(土)発 1月4日(土)着

○ 直行便でこの価格
× この時期のカザフスタンは極寒

ヌルスルタンってどこ?と思った人は少なくないのではないでしょうか。中央アジアのカザフスタンの首都です。以前アスタナとよばれていました。2019年7月に成田から週1便、SCAT航空というカザフスタンの航空会社が就航したのですが、この航空会社、盆も正月も一切価格を変えないのでピーク時には自然と激安となります。ちなみに2020年8月のお盆の時期も同額です。ヌルスルタン?そんなところには興味がない、と考えてしまうのは早計です。

たとえば、ヌルスルタン発ブダペスト往復約1万8,000円(ウィズエアー)
を利用すれば、年末年始の欧州まで8万1,000円で往復することができるのです。

3.成田発マカオ往復約5万3,000円(中国東方航空)
12月30日(月)発 1月5日(日)着

○ プラスの休みをとらずに7日間海外に行けてこの価格
× 行き帰りとも中国での宿泊をともなう

通常でも往復3万円以上することが多いマカオに年末年始この価格でいけるのはかなりのお買い得といえます。ただし、行きに南京に約17時間、帰りに上海で約10時間の乗り継ぎ時間があります。

中国東方航空は、同日程で四川省の省都の成都まで往復約4万円でカバーしています。
寒い冬に本場の四川料理で身体を温めるのも悪くないでしょう。

4.静岡発マンダレー(ミャンマー)往復約6万円(中国東方航空)
12月28日(土)発 1月5日(日)着

○ 9日間まるまる海外に行けてこの価格
× 往復計80時間を要する

なんだまた中国東方航空だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、安いのだから仕方ありません。今度の航空券のポイントは静岡発。静岡発の価格設定は東京発とは異なり、特にピーク時には安い航空券が見つかることがままあります。筆者は今回の年末年始の静岡発ナイロビ往復を6万6,000円で入手しました(※すでにこの価格での入手は不可能)し、2020年のお盆のストックホルム行きも5万5,000円で売り出されていました。さて、今回紹介する航空券はミャンマーの古都マンダレー往復。アジア大遺跡とよばれるパガンへもアクセスしやすい場所にあります。

行きは杭州で22時間、昆明で15時間、帰りは昆明で9時間、寧波で21時間と完全に各駅停車の旅となりますが、フットワークが軽い人にはむしろ3都市を楽しむことができるともいえます。静岡空港へは青春18きっぷを使えば空港アクセスのバス代も含めて片道3,000円程度。東京駅から成田エキスプレスの金額とほぼ同じ。新幹線を使っても東京駅から静岡空港なら所要時間は2時間あまり。選択肢から外してしまうのはあまりにもったいないといえます。

5.中部発杭州往復約2万3,000円(長竜航空)

○ 9日間フルの海外で直行便がこの価格
× 中京圏や関西以外の人には中部発がネックか

カザフスタンのところでも紹介しましたが、新規就航の航空会社はピーク時でも通常と同じ価格設定をしていることが多いので狙い目といえます。2019年12月に中部杭州線を就航させた長竜航空はまさにその典型例。ほかのエアラインを圧倒する低価格です。

気になるのは中部国際空港着が20:40という点。21:17発にセントレアを出る名鉄に乗れないとその日のうちに東京駅まで行けませんが、これまでのフライトの実績をみるとほぼオンタイムか早着。荷物を機内持ち込みですませれば間に合う可能性は高いといえるでしょう。かりに間に合わなくても名古屋泊として翌日の仕事始めがエクストリーム出社でもOKという人であれば首都圏在住者にもおすすめできる航空券です(もちろん夜行バスを利用するという手もあります)。

同様に関西発であれば12月28日(土)発の1月5日(日)帰りの中国への直行便が天津(奥凱航空)、温州(吉祥航空)で2万1,000円~2万2,000円程度。天津は北京、温州も上海に近く、代替空港として利用することも可能です。

今回価格調査に使用したのは[スカイスキャナー](https://www.skyscanner.jp/transport/flights-from/jp/)です。
価格は刻一刻と変わりますので、その時点での最安値を探してみてはいかがでしょうか?

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