「瀬戸内マリンビュー」引退、地元に愛された観光列車が有終の美を飾る

呉駅に到着した瀬戸内マリンビュー

2019年12月22日(日)、「瀬戸内マリンビュー」がラストランを迎えました。

「瀬戸内マリンビュー」は2005年10月「ええじゃん広島県デスティネーションキャンペーン」に合わせて運行を開始したJR西日本の観光列車です。

使用車両はキハ47系、2両編成。1号車は指定席(35席)、2号車は自由席(着座時56席)。2号車なら座席指定券を買わなくとも普通運賃だけで乗れることから「青春18きっぷで乗れる観光列車」として人気を博し、沿線住民の足としても活躍しました。

運行開始からしばらくの間は広島〜三原(三原〜呉)間を1日2往復していましたが、2011年3月頃から土休日中心の臨時列車となり本数も1日1往復に。運行開始から本日までの利用者数は約66万人。

一部停車駅ではイベントも行われ、旗を手にした沿線住民や関係者らが集いました。呉駅では市長による挨拶や地元の公式キャラクター「呉氏」を交えた歓迎のほか、地元の高校生による吹奏楽の演奏も披露。呉駅長の川﨑智史さんは「町の方々にこれだけ集まっていただけてありがたい。昨年の豪雨災害(平成30年7月の西日本豪雨)の際も励まし合い、皆さんに愛されている列車だと感じた」とコメントしました。

呉駅では地元住民や関係者を含めおよそ300名が参加
出発する瀬戸内マリンビューをお見送り
呉駅構内には最終運行日の告知が並ぶ
指定席利用者にはお猪口などのグッズプレゼントも

尾道駅ホームには長蛇の列が出来ており、14時2分尾道発の最終便(上り)自由席車両は大変な活況を呈していました。17時22分、列車は予定通り広島駅に到着、乗客に見送られながら車庫へと向かっていきました。

「瀬戸内マリンビュー」に使用されたキハ47系は一旦運用を離れますが、2020年秋頃に新観光列車「etSETOra」として生まれ変わり、宮島口〜尾道間を走ります。

記事/写真:一橋正浩

© 株式会社エキスプレス