ゴーストの目を持つ輝線星雲「NGC 2080」

【今日の天体紹介:ゴーストヘッド星雲NGC 2080】

この不気味な色合いの星雲は、かじき座の方向約17万光年先にある輝線星雲「NGC 2080」です。有名なタランチュラ星雲「NGC 2070」の南に位置した大規模な星形成領域の一部です。

NGC 2080は、画像中央の白い箇所に存在するA1A2と名付けられた2つの白く明るい箇所が「目」の様に見立てられており、別名「ゴーストヘッド星雲」と呼ばれています。
A1(画像左)は大質量星から発せられた放射線と恒星風によって生成された恒星風バブルが存在しています。A2(画像右)は多くの塵を含み複雑な構造をもち、その影には生まれたばかりの大質量星がいくつか存在していると予測されています。このA1・A2をあわせて「ゴーストの目(eyes of the ghost)」と表現されています。

また、天体のニックネームに「ゴースト(幽霊)」と名付けられるケースがありますが、このゴーストヘッド星雲の他には、以前紹介した「リトルゴースト星雲(NGC 6396)」「ゴースト星雲(Sh2-136)」が有名所のゴースト天体と言えます。また、時期的にゴーストとして表現される天体も毎年、NASAやESAによって紹介されていますね。

この画像は、2001年10月に公開されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ2「WFPC2」によって撮影されました。

Image: ESA, NASA, & Mohammad Heydari-Malayeri (Observatoire de Paris, France)
Source: HUBBLE

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