手作り「一文飾り」で新年お迎え 親子連れ体験教室 平塚

平塚に江戸時代から伝わる一文飾り作りに挑戦する参加者ら=平塚市博物館

 手作りのお飾りで新年を迎えようと、正月飾り作りの体験教室が22日、平塚市博物館(神奈川県平塚市浅間町)で行われ、約20人が地元に古くから伝わる注連(しめ)縄「一文飾り」や豪華な玄関飾りの制作に挑戦した。

 市博物館で40年以上も続く恒例行事。市内で農業を営む傍ら、地域で注連縄作りなどを指導している今井隆さんを講師に招いた。

 今井さんは「正月には歳(とし)神様が幸せも持ってやって来る。その歳神を呼び寄せるのが注連縄飾り」と由来を解説。注連縄は12月30日に玄関などに飾られ、新年の1月7日に外すのが一般的といい、今井さんは「大磯(の火祭り)左義長のように最後は飾りは焼かれ、神様が1年間の厄を引き受けてくれる」と説明した。

 最初は、湘南地域などで江戸時代から伝わる一文飾り作りに挑戦。結んだわらを上半分だけ編み、紙垂(しで)を垂らしただけの簡単な飾りで、当時は値段も安かったために「一文」と名付けられたという。

 参加した親子連れはわらを編むのに悪戦苦闘しながらも、それぞれ二つとないお飾りを完成させた。大磯町から初めて参加したという女性(48)は「毎年お正月にはリース飾りを作っていたけれど、今年は注連縄飾りにしたい。家族が健康に新年を迎えられれば」と願いを込めていた。

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