ヤラセの証拠撮った! 日テレ24時間テレビの捏造疑惑 女優・黒木瞳のそばでずっと黙っていた“アイツ”

まさにここが会場となった場所だ。現在はコンクリ打ちになっていた(編集部撮影)

2019年12月18日、本サイトは過去に放映された日本テレビの『24時間テレビ』に重大なヤラセ疑惑があったというニュースを報じた。日本で起きた東日本大震災で発生した津波による死者を弔うために、女優・黒木瞳キャスターがタイへ行き「燈籠(コムローイ)飛ばし」を行うという番組内容だったのだが、現地の人々を金で雇い、理由も伝えずに灯籠を飛ばさせ、ただただ感動的なシーンを創作したというものだった。

編集部は日本テレビへ事実関係を問い合わせたが、返ってきた答えは一行足らずで「この企画は趣旨にご賛同いただいた地元の方々の協力があって、成立したものと考えております」だけだった。どうして趣旨に賛同してくれているのに金銭を払う必要があったのだろうか?

この報道は様々なSNSやサイトで話題となり、あの未曾有の大災害が起きた年に、「こんなにも死者を愚弄する番組を撮影していたのか!?」という声が日増しに多くなっているのが現状だ。我々は日本テレビに再度真摯な態度で回答してほしいと打診しているが、未だ回答は無い。詳細は第一報をご覧になってほしい。

ヤラセの現場となった「N」町を歩いて

ヤラセ疑惑の撮影が行われた現地を取材していて驚いたのは、道行く誰もが「日本のテレビ局がやってきてコムローイたくさん上げて帰った」ということを知っていたことだ。それだけこの「N」町(タイ北部チェンマイ県)の人々にとって、思い出の深い、素晴らしい行事だったとして心に残っていることは、ヤラセだったことは百歩譲っても、きっと予算を大量につぎ込んでドでかい祭りを開催したんだろうということが予想できた。

この写真は、24時間テレビがコムローイを上げる会場として使った「N」町の運動場だ。第一報にも記述があるが、そもそもコムローイという祭りは11月に行われるもので、主に「厄落とし」という意味合いを込められたものだ。11月といえばタイでは乾季にあたり、雨が少ない。しかし、番組は8月に放送されるため、収録は雨季真っ盛りの時期に行われたとのことだった。残念ながら黒木瞳が現地を訪れた時にも雨は降り、この運動場はグチャグチャな状態だったという。

そもそもコムローイを上げる習慣がない町で、コムローイを上げる時期ではない時に、航空法上飛ばしてはいけない地域で無理やり飛ばしているわけだが、番組内ではそのような説明は一切なかった。まるで「いつもやってます」といった体で町人が集まり、「ボランティアです」といった体で人々はコムローイを上げる。それも『日本のことを想って』だ。そんなことが自然発生的に起こったら何と素晴らしいことだろうと思ったが、何のことはない……金で集めた人々だったのだ。

一体、日本テレビからいくらの金が流れたのだろうか。運動場は当時とは違い、コンクリートがしっかりと張られて整備されていたが、「この予算はどこから?」なんて下品な想像もしてみたりした。

番組内では、“日本のため”に町の小学生もコムローイ製作を手伝ってくれるシーンもある。黒木瞳は「サボってる人が誰もいない……日本のためにみんな黙々と…」と感激する場面だ。確かに、これがヤラセではなく本当だったら、こんな嬉しいことはない。素直に日本人の一人として感動し、子どもたちに感謝しただろう。

だが、果たして本当にそうなのだろうか。町を取材して誰もが「金を貰ったから参加したんだ」と口々に言うイベントだ。小学生たちが自主的に、しかも学校内でコムローイを製作してくれていたとは到底思えない。彼らの顔はみな疲れており、イヤイヤではないにしろ、どこか疑問を持ちながら作業している様子が伺える。私たち取材班は、子どもたちが一番不憫でならなかった。子どもをダシにするのは本当にやってはいけないことだ。

日本テレビがもし「そんなことはない」と完全否定するのであれば、すぐさま反論するべきだ。もし、我々より有名で資金力も拡散力も大きいメディが現地入りしたら、事態はとんでもないことになるだろう。

見つけた……ヤラセの物的証拠!

日本テレビが「N」町でコムローイを飛ばす映像を撮るまでに、現地では様々な人物が暗躍したことを本サイトは調べ上げている。現地に住む日本人もいれば、もちろんタイ人もいる。彼らには「予算」が使われ、上から下に命令が伝わっていった。タイでは役職や地位と言ったものがステイタスとなり、より公に近い者が力を持つ。現地にも昔からの豪族のような人物が存在し、町の人々からは「先生」というタイ語で呼ばれている。その人の家で関係者に話を聞いていたときだ。

――日本のテレビはきましたか?

「来たよ。ここにきて作って運動場でコムローイを上げたんだ。きれいだった、沢山の人が来てね。あの時期は雨季でびちゃびちゃだったんだよ。テレビマンたちは先生にお金をあげて、先生がいろいろと手配したんだよ」

――テレビ局は学校でもコムローイを作りましたか?

「ちがうよ、ここで作ったんだよ。……あれ、どっちのことを言ってるの?」

――どっち? もしかして2回もここで上げているんですか!?

「そうだよ。名前は知らないが日本の芸能人が来てたよ」

――家主はいつ戻りますか?

「今日はわからないねえ。でもね、素晴らしい人なんだ。社会のために貢献しているんだよ。老人たちのために健康補助器具を買おうとお金を集めているんだよ。町の元副町長でね」

――(24時間テレビで放送された垂れ幕の画像を見せて)彼らはこれを作ったんですよね?

「こっちだよ。まだあるよ」

――え……!? なんでここにあるんですか?

「あの時ここで撮影したでしょ? その時ここに掲げたんです。取り除かなかっただけ。だって丁度よい日よけになるしね(笑)」

あまりにも予想外で驚いてしまったのだが、あの【PRAY FOR JAPAN 日本のために祈りましょう】と書かれた番組内でも登場した垂れ幕が現存していたのだ――!!

この垂れ幕にはタイ語で「日本テレビジョンネットワークとN町が協賛」であることと、「コムローイを打ち上げてくれる人を募集」したことが明確に書かれているものだ。まさに、ヤラセの証拠となるもの。日本テレビもまさか今でも“日よけ”に使われているとは想像さえしていなかっただろう。

さて、ここまで新事実が判明した以上、我々はキーマンとなる『元副町長』に会わざるを得ない。読者の皆さんも同じ想いであるだろう。次回は、取材班と対峙した元副市長との会話をノーカットでお送りしたいと思う。そして「この町で2回同じ祭りが開催された」という証言についても。(取材・文◎編集部 / 文中敬称略)

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