世界マスターズ選手権  筋肉美 世界一 森山さん「家族や会社に恩返し」

メンズフィジーク40~44歳の部で世界一に輝いた森山健三さん=スペイン、タラゴナ(森山さん提供)

 今月上旬、スペイン・タラゴナであった国際ボディビル・フィットネス連盟(IFBB)の世界マスターズ選手権大会「メンズフィジーク40~44歳の部」で、諫早市山川町の会社員、森山健三さん(41)が世界一に輝いた。森山さんは「競技に集中するために支えてくれた家族や会社の人たちの顔が浮かんだ。恩返しできてうれしかった」と振り返った。24日には市役所を訪れ、宮本明雄市長に優勝を報告する。
 フィジークはバランスの良い筋肉美を競う。髪形や表情、全体の雰囲気も審査の対象になる。森山さんは2016年から本格的に競技を開始。今年9月の国内の大会で初優勝し、世界大会への切符を獲得した。
 大会では森山さんの種目にロシア、イタリアなど14カ国18人がエントリー。普段は独学で練習している森山さんだが、現地で同選手権のフィジーク「45~49歳の部」で連覇を果たした田村宜丈さん(47)と同室になったことが幸運につながったという。「田村さんや代表コーチに教わった最新のポージングを取り入れたことが自信につながり、ステージでも余裕が持てた」
 2位の選手とは1点差。
表彰式で君が代を聞き「日本代表の務めを果たせた」。ご褒美に大好きなクロワッサンをたくさん食べたという。
 勤務先は長工醤油味噌協同組合大村工場。「社内のトレーニング場所の提供や休暇取得への配慮などで、仕事との両立を後押ししてくれありがたい」と話す。
 家庭では、長男の航(わたる)君(9)、次男の昴(すばる)君(7)の頼れる父。「トレーニングのため一緒に食事を取れない。遠くの旅行にも連れて行けず、我慢してもらっていて申し訳ない」と森山さん。妻の麻祐子さん(40)は「そばで努力する姿を見てきたので、報われて良かった」。今後も家族で食事や精神面のサポートを続けていく。

森山さんを支える家族=諫早市山川町

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