全国高校駅伝 男子 松浦 つないで40位 エース不調も全員でカバー

最後まで懸命に前を追う松浦男子のアンカー小茂田(右)=たけびしスタジアム京都

 エースの不調を全員でカバーした。男子の松浦が1区51位スタートから徐々に順位を上げて40位でゴール。満足な結果ではなかったが、6年ぶりに出場した昨年のタイムを約1分も短縮した。6区を走った主将の藤山は「全員で気持ちを切らさずに持っている力は出した」と前を向いた。
 大会直前、1区植村が腰痛を発症。10キロを走りきるのがやっとの状態で「申し訳ない気持ちでいっぱい」だったが、歯を食いしばって何とかたすきをつないだ。以降は3区内野が「今まで植村に甘えさせてもらったから今度は助ける番だった」と振り返った通りに、全員が心を一つにしてひたすら前を追った。
 苦戦の中、収穫もあった。新チームのリーダーとして期待されるアンカー小茂田は、最後まで前を抜こうという負けん気の強さを見せた。中学までバレーボール部だった1年生の網本は、主要区間の4区に出走。陸上に専念して初の全国舞台で「選手たちの迫力が県と全然違う。もっと成長しなければいけない」とこれから必要なことを肌で知った。次へつながるレースになった。
 網本が言うように、男子は県と全国の差が年々開きつつある。チームが今大会の目標に掲げたのは「2時間6分台で10位台」。だが、仮にタイムをクリアしていても、順位は30位前後だった。藤山が後輩たちにエールを送った。「駅伝の高速化が進んでいる。長崎ではなくもっと全国に目を向けてほしい」。この考え方になれたこともまた、一つの収穫だった。

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