長崎スポーツ この1年(7) 東京五輪代表選考 水本、松本ら県勢内定

カヌー・スプリント男子カヤックフォア500メートルで東京五輪出場枠を獲得した水本(チョープロ、左端)ら日本チーム=セゲド(共同)

 来夏の東京五輪出場を懸けた選考会が白熱した1年だった。県勢もカヌー・スプリント男子の水本圭治(チョープロ)、ライフル射撃男子の松本崇志(自衛隊、島原市出身)が日本代表に内定。2人とも2008年北京大会から数えて、4度目の挑戦で夢をかなえた。
 水本は8月の世界選手権で代表入りを決めた。カヤックフォア500メートルの順位決定戦で、アジア最上位の全体12位でフィニッシュ。五輪出場枠を確保した。日本はペアやシングルの枠も得たため、他種目もエントリーする可能性も出てきた。
 松本は11月のアジア選手権ライフル3姿勢120発で日本勢最高の11位に入った。エアライフル男子立射60発、エアライフル混合の2種目も出場する見込みだ。ライフル射撃の県勢の代表入りは、過去3大会に選手として出場した松尾薫(島原工高-自衛隊)以来、2人目の快挙だった。
 このほか、16年からJR九州長崎支社に所属しているセーリング男子470級クルーの外薗潤平も五輪切符をつかんだ。
 来年、代表が決まる競技の選手たちも結果を出してきた。バスケットボール男子の田中大貴(A東京、雲仙市出身)は9月のワールドカップを経験。ソフトボール女子の藤田倭(太陽誘電、佐世保市出身)も代表に欠かせない存在に成長した。柔道男子81キロ級の永瀬貴規(旭化成、長崎市出身)は、11月のグランドスラム大阪大会で優勝。決勝でライバル藤原崇太郎(日体大)を下して、井上康生監督が「(代表争いは)一歩リードしている」と評価した。
 今月上旬、陸上女子5000メートルで廣中璃梨佳(日本郵政グループ、大村市出身)が東京五輪参加標準(15分10秒00)突破となる15分5秒40をマークするなど、代表候補に県勢が続々と名乗りを上げた1年。故障に苦しみながらも「(東京に)出ることを前提に、すべて考えて行動している」と公言している体操男子の内村航平(リンガーハット、諫早市出身)も含めて、県勢の活躍から目が離せなくなってきた。

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