モビリティをもっと身近に!未来の主役・子どもたちが体験するモビリティの仕事 

10月24日~11月4日にかけて行われた東京モーターショー。子どもの職業体験施設で知られるキッザニアがコラボレーションした「アウトオブキッザニア in TMS2019」では、未来の主役・子どもたちがモビリティの仕事を体験した。

キッザニアはメキシコが発祥の地で、現在は21カ国28カ所で展開されている。国内の施設はキッザニア東京とキッザニア甲子園の2カ所。これまでに延べ1800万人が来場している。モーターショーとのコラボレーションは世界初となる。

キッザニアは3歳から15歳までの子どもが、楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができる職業体験施設。「エデュケーション(学び)」と「エンターテインメント(楽しさ)」を合わせた「エデュテインメント」をコンセプトとしている。3分の2のサイズで作られた本物にそっくりな「こどもが主役の街」では、テレビ局や銀行、ピザショップなど、実在の企業がスポンサーとなる約60のパビリオンで約100種類の仕事が体験できる。職業体験にチャレンジすると、専用通貨であるキッゾが給料としてもらえる。キッゾはお店で買い物をしたり、街を走るバスに乗車したり、銀行での預金も可能。リアルな職業・社会体験を通し、楽しみながら学ぶことで生きる力を育むことが目指されている。

東京モーターショーの主催者である一般社団法人 日本自動車工業(以下、自工会)の長田准委員長は、「第46回東京モーターショー2019はいろいろな産業との連携で、楽しい未来を提供したいという思いで進めてきた。主役はお子様、ご家族と標榜し、今回、高校生以下は入場料を無料にした。未来の主役であるお子様に楽しんでいただきたい」とキッザニアとのコラボレーションに懸ける思いを語った。

マツダのパビリオンで金型磨きにチャレンジする女の子

キッザニアを運営するKCJ GROUP株式会社(以下、KCJ GROUP)は昨年10月にKDDI株式会社と資本業務提携した。KCJ GROUP はキッザニアのセカンドステージとして、5G、IoTなど先端技術と一次産業等の融合をテーマにしたエデュテインメントの提供や、東京と甲子園の施設内にとどまらない、地方の自治体や企業と連携した職業体験であるアウトオブキッザニアにも力を入れている。東京モーターショーとのコラボもアウトオブキッザニアの取り組みの一つ。

KCJ GROUPの圓谷道成代表取締役副社長は「ものづくりの素晴らしさやメンテナンスの重要性、ドライビングの楽しさやモビリティが社会に対して重要な位置づけにあることを、楽しみながら学んでいただきたい。さらに、体験を通して新たな気づきを持ち帰ってもらいたい」と話した。

「Out of KidZania in TMS2019」では、クルマに関わる10社11種類のアクティビティが提供された。トヨタ自動車のパビリオンでは月面探査車の自動運転のプログラミング体験やサスペンション・タイヤの取付けをするメカニック体験、マツダのパビリオンでは金型職人の見習いとして、金型磨きのトレーニングなど、東京や甲子園の施設では体験できないアクティビティがそれぞれ用意された。

ダイハツ工業のパビリオンで、フェンダー、ヘッドライト、フロントバンパーを工具で取り付けるというクルマの組み立て体験をした小学生の男の子は「(仕事は)難しかったけど、屋根が動いたりするのが楽しかった」と慣れない組み立て作業に悪戦苦闘しながらも、笑顔を見せていた。

ダイハツ工業のパビリオンで、クルマの組み立て体験をする男の子

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