FA市場は有力先発投手不在に Rソックス・プライスの行方は?

日本時間12月23日、柳賢振(リュ・ヒョンジン)がブルージェイズとの契約合意に至り、フリーエージェント市場から有力な先発投手が姿を消した。FanGraphsが算出するWARに従えば、フリーエージェント市場に残る先発投手はWARの高い順にホーマー・ベイリー、イバン・ノバ、アンドリュー・キャッシュナー、ジェイソン・バルガスといった顔ぶれである。よって、トレード市場に注目が集まる可能性が高く、なかでもトレード放出の可能性が取り沙汰されているデービッド・プライス(レッドソックス)に注目が集まりそうだ。

MLBネットワークのケン・ローゼンタールは、ブルージェイズがプライスの獲得に向けてレッドソックスとのトレード交渉を行っていることを報じていた。柳との契約合意によりブルージェイズはプライス争奪戦からの撤退が確実だが、フリーエージェント市場から有力な先発投手が消えたことによりプライス争奪戦は激化していくと見られる。プライスは3年9600万ドル(年平均3200万ドル)の契約を残しており、放出の際にはレッドソックスが年俸の一部を負担することが不可欠だが、先発投手の補強を目指すチームにとって、プライスが魅力的な存在であることは間違いない。

現在34歳のプライスは、今季22試合に登板して7勝5敗、防御率4.28をマーク。前半戦に限れば16試合で7勝2敗、防御率3.24というまずまずの成績を残していた。レッドソックス加入1年目の2016年に17勝、2018年にも16勝をマークしており、年平均3200万ドルという巨額の契約に見合うかどうかはともかく、故障さえなければ依然として先発2番手クラスの働きを十分に期待できる投手である。

MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、ブルージェイズのほか、エンゼルス、ドジャース、パドレス、ツインズ、フィリーズなどが柳の獲得に興味を示していたようで、これらのチームのうち少なくとも複数のチームがプライス獲得に乗り出すと見られる。先発投手を必要としているチームは少なくなく、年俸総額の削減が急務となっているレッドソックスが必要以上の対価を要求しなければ、プライスのトレード交渉は一気に加速するかもしれない。

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