フード引っ張られ、女児が首にけが 藤沢市立小でいじめ 教室壁に「嫌いだ」と悪口も

藤沢市役所

 神奈川県藤沢市教育委員会は23日、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態調査の結果、市立小学校でいじめがあったと認定する報告書を公表した。被害児童がけがを負っていながら、「事故」と認識した学校に対する指摘も盛り込んだ。

 報告書によると、当時2年の女子児童は2017年の1学期から複数回、教室の壁やロッカーに赤鉛筆で「嫌いだ」といった趣旨の悪口を書かれた。同級生の女児2人から道具箱内の小物を持ち帰れなどと言われるケースもあった。

 18年3月に実施した卒業式・お別れ集会の練習時には、整列位置を間違えたとして同級生の女児に上着のフードを引っ張られ頸椎けいつい捻挫のけがを負ったという。

 首の痛みが続いていると訴えていた被害児童の保護者が同年6月、重大事態として調査を依頼。弁護士や医師らで構成する同市いじめ問題調査委員会は「心身の苦痛を感じたことも確認された」と結論付けた。

 報告書では、被害児童のけがについて学校側がいじめではなく「事故」と認識したことを問題視。迅速に組織的対応をする必要があったとしている。

平岩多恵子教育長は「被害児童、保護者に大変申し訳なく思っている。教育委員会としても責任を重く受け止め、今後、いじめの未然防止、早期発見、早期解決が図られるよう努めていく」とコメントした。

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