加悦SL広場、20年3月閉園検討 貴重な鉄道車両27両展示「引き取り手探したい」

来年3月末での閉園が検討されている加悦SL広場(京都府与謝野町滝)

 明治時代に製造され国の重要文化財に指定されている「123号蒸気機関車」を展示する京都府与謝野町滝の「加悦SL広場」について、運営する宮津海陸運輸(宮津市)が来年3月末での閉園を検討していることが23日、分かった。町の観光拠点の一つで、関係者からは落胆の声が漏れている。

 広場は1996年、同町加悦から移転してオープン。手動式の転車台があり、蒸気機関車や気動車など27両が展示されている。同社によると、現在車両の整備を担当する社員は1人。技術継承が困難な上、腐食が進んでおり、車両の維持が難しいと判断した。
 町はこのほど、町議会全員協議会で経緯を説明した。町は「会社の方針でやむを得ないが、府と対策を協議したい」としている。宮津海陸運輸の佐野博社長は京都新聞社の取材に、「施設全体を譲渡するのは難しい。車両の引き取り手を探したい」と述べた。
 広場の運営に協力する加悦鐵道保存会の吉田博一理事長(58)は「本当に残念。存続が困難なら、町も私たちと車両の保存に向けた方法を考えてほしい」と話した。

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