たくさんの良作が上映されることで注目されているトロント映画祭のミッドナイト・マッドネス部門で観客賞を受賞したアクション映画。「燃えよ」と聞いてパッと思いつくのは、もちろん皆さんご存知のブルース・リー主演、伝説の『燃えよドラゴン』シリーズですね。先日公開された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にも登場し、タランティーノ監督の愛情を感じさせました。今もなおたくさんのファンに愛されているスター、ブルースへの愛がこの映画からもたっぷり伝わってきて、アクションファンならみんなが楽しめる映画になっています。
主人公のスーリヤは、痛みを感じないという特殊な体質の持ち主。そのせいでいじめを受けていた彼は、ある日アクション映画を見たことをきっかけに、まるで「一人ベスト・キッド」状態で、独学で（アクション映画を見まくって）カンフーの練習を始めます。ちなみに、スーリヤの子ども時代を演じている子役ちゃんもめちゃくちゃ可愛い。
強くなった彼が悪の組織による地獄のトーナメントに挑むシーンでは、「あっ、これあの映画の！」とつい声を上げそうになるほど映画愛がたっぷり！ めちゃくちゃベタなストーリーではありますが、アクションのほか、ふざけ倒した笑えるシーンもたくさんあるし、歌や踊りのエンタメ要素もたっぷりで、全編を通して思いっきり楽しめるところも、ザ・インド映画ならではです。2019年の笑い納めにもぴったりの映画ですよ。アチョーッ！ ★★★★★（森田真帆）
12月27日（金）から全国順次公開
監督:ヴァーサン・バーラー
出演:アビマニュ・ダサーニー、ラーディカー・マダン
