ハンディキャップを持つ選手たちによるバスケットボールチームの活躍を描いた清々しいスポ根映画です。短気を起こしてプロバスケチームを解雇されてしまったコーチが、交通事故を起こし、社会奉仕活動として知的障がい者たちだけで結成されたバスケットボールチームのコーチを担当することになるという物語。
わたしはチャリティ番組などの、ハンディキャップを持った方たちへのお涙頂戴な演出が本当に大嫌いなのですが、この作品にはそういう気持ち悪さが一切なく、出てくる登場人物たちの個性が愛情とユーモアたっぷりに描かれています。
チームメンバーを演じているのは、600人を超える障がいを持つ人たちの中から選ばれた人たち。全然上手くできなくたって、バスケットボールを心から楽しんでいる彼らの笑顔は本物です。超自由な彼らが、マイペースっぷりを発揮してコーチを振り回しまくる姿がとにかく楽しくて笑ってしまう。その感じは「障がい者だからって遠慮せずにガンガンネタにする」という、わたしの親友でもあるウーマンラッシュアワー村本大輔のスタイルを思い出しました。気が付けば彼らのことが大好きになっていく一方で、彼らを見る社会への怒りも感じる。
映画が終わる頃には「バカにした奴らを絶対に見返してやろう!」と、いつの間にか自分までもがチームの応援団になった気持ちになって、手に汗握って応援しちゃうはず。ラグビーW杯の熱狂も終わって、またスポーツで感動したい! と思っている方々にぜひ観てもらいたい作品です。★★★★★(森田真帆)
監督:ハビエル・フェセル
出演:ハビエル・グティエレス、ホアン・マルガリョ
12月27日(金)から全国順次公開