スズキ 新型ハスラー 徹底解説|2代目はもっとタフに、もっとアクティブに

スズキ 新型ハスラー ボディカラー:バーミリオンオレンジ ガンメタ2トーン

軽でSUV、今の流行りをダブルで掛け合わせたテッパンの人気モデルがフルモデルチェンジ

2019年末から2020年にかけて話題を呼んでいる新型車といえば、コンパクトカーのトヨタ ヤリスとホンダ フィットだろう。しかし今は軽自動車が新車として売られるクルマの40%近くを占めている。またいっぽうで、SUVも約15%に達する人気のカテゴリーとなっている。その意味で注目が集まるのが、2019年12月24日に発表(2020年1月20日に発売)されたスズキ 新型ハスラーだ。

初代(先代)ハスラーは2014年1月に発売されて大ヒット商品になったが、今回6年ぶりに2代目へフルモデルチェンジされた。

キープコンセプトながら新鮮さも|新型の絶妙な内外装デザイン

スズキ 新型ハスラー ボディカラー:バーミリオンオレンジ ガンメタ2トーン
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基本路線は踏襲しながらも力強さや存在感を増したエクステリア

初代モデルが絶好調に売れたから、2代目の新型ハスラーも外観デザインの基本的な路線は踏襲されている。丸型ヘッドランプを装着して、SUVの力強さと優しさを併せ持つ。その上で初代の個性をさらに強調する形状に仕上げた。

フロントマスクでは、ボンネットの傾斜を抑えて水平に近づけ、ヘッドランプ部分を20mm持ち上げている。これによりフロントマスクの上下幅が増して、存在感を強めた。

ボディサイドのデザインも、水平基調をさらに強調している。サイドウィンドウは四角い形状になり、荷室の両脇にも小さな窓を装着している。リヤゲートの角度は垂直に近づけ、先代型に比べると直線的な印象でボディが少し長く見える。

新型ハスラーのボディサイズは全長が3395mm、全幅は1475mmで、これはほかの軽自動車と同じく規格枠いっぱいの数値だ。全高は1680mmだから、先代型よりも15mm高くなった。

新世代のプラットフォームに刷新されタイヤもボディの四隅に配置

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プラットフォームは現行型のスズキ ワゴンRやスペーシアと共通で、先代型に比べると刷新されている。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は先代型に比べると35mm伸ばされた2460mmで、ワゴンRやスペーシアと同じ数値だ。4輪がボディの四隅に配置されて、視覚的な安定感を高めた。

タイヤサイズは15インチ(165/60R15)で、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は180mmを確保するので、悪路のデコボコも乗り越えやすい。市街地では駐車場と車道の段差が大きな場所でも、ボディの下側を擦りにくいのも利点だ。

遊び心満載なインテリアデザイン

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内装はインパネのデザインに特徴がある。メーター/カーナビ/収納設備が同じデザインのフレームに収められ、3つが水平に並ぶ。3連フレームの色彩はボディ同色とされ、遊び心を感じさせる。

居住空間も広がった。ホイールベースを35mm拡大して、後席の足元空間も同じ数値だけ伸びている。後席のスライド位置を後端に寄せると、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ3つ分の余裕がある。Lサイズセダンでも握りコブシ2つ半程度だから、ゆったりした印象だ。

左右に座る乗員同士の間隔も、前席では30mm広がった。天井を高く設定して、ボディ側面の上に向けた絞り込みも抑えたので、頭部周辺の空間も広がっている。

初代譲りの多彩なシートアレンジ、荷室の使い勝手も向上

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シートアレンジは先代型と同様に充実している。後席の背もたれを倒すと座面も連動して下がり、平らな広い荷室に変更できる。前後のスライド機能も含めて左右分割式だから、乗車人数や荷物の量に応じて調節しやすい。

新型では荷室側から前後のスライド操作も可能になった。荷室の下側にはアンダーボックスが装着され、小物類も整理しやすい。

マイルドハイブリッドを全車採用、ノンターボエンジンは新開発

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新型ハスラーに搭載されるエンジンは、ノーマルタイプ(ノンターボ)とターボを用意している。この内、ノンターボエンジンは新開発された。シリンダーの内径と行程寸法から見直され、新たな機能も採用した。デュアルインジェクションによって燃料を従来以上に微粒化噴射し、排気ガスの一部を冷却して燃焼室に環流させるクールドEGRにより、燃焼温度を抑えている。圧縮比は従来の11.5から12に高められ効率を向上させた。

従来と同じくマイルドハイブリッドの機能も備わり、モーター機能付き発電機が、減速時の発電、アイドリングストップ後の再始動、エンジン駆動力の支援を行う。そのためにグレード名にもそれぞれ「ハイブリッド」が付いている。

ノーマルエンジンの動力性能は最高出力が49馬力(6500回転)、最大トルクは5.9kg-m(5000回転)とされ、ターボは64馬力(6000回転)・10kg-m(3000回転)となる。トランスミッションはCVT(無段変速AT)で、駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDをすべてのグレードで選択できる。CVTも効率を高めて軽量化された。

ノーマルエンジンは25.0km/L、ターボモデルは22.6km/Lの燃費をマークする(いずれもFFモデル/WLTCモード)。

走行安定性と乗り心地が向上|先進安全技術もさらに進化

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プラットフォームのサイドメンバー(ボディ底面に前後方向に配置された基本骨格)は、直線的な形状に改められ、構造用接着剤も使われてボディ剛性を高めた。ホイールベースの拡大と相まって、走行安定性と乗り心地を向上させる。

注目度の高い安全装備は、2個のカメラをセンサーに使う進化したデュアルカメラブレーキサポート。夜間でも歩行者の検知が可能になっているほか、一時停止や進入禁止などの標識も認識してドライバーに知らせる。後退時に後方の障害物に衝突する危険が生じると、衝突被害軽減ブレーキを作動させることも可能だ。

車線逸脱警報も全車に装着され、ターボ車については車線逸脱を抑制する機能も備わる。このほか衝突時に乗員を守るサイド&カーテンエアバッグは、全車に標準装着されている。

デュアルカメラブレーキサポートの機能を応用した運転支援機能も採用され、ターボ車については、全車速追従型アダプティブクルーズコントロール(ACC)を装着した。設定速度の範囲内で、先行車に追従走行できるため、高速道路ではドライバーの疲労を軽減させて安全性をさらに向上させる。

快適装備では、スマートフォンとの連携機能を備えたメモリーナビをオプション設定した。全方位モニターも加えると、車両の周囲を上空から見たような映像としてモニター画面に表示できる。

新型ハスラーのオススメグレードは!?

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新型ハスラーのグレード構成は、ハイブリッドG、ハイブリッドGターボ、上級のハイブリッドX、ハイブリッドXターボとなる。

推奨されるのはLEDヘッドランプやアルミホイールなどを標準装着したハイブリッドX(価格は151万8000円/2WD)、あるいはハイブリッドXターボ(161万2600円/2WD)だ。

ターボはノーマルエンジンに比べて約10万円高いが、前述の通り車線逸脱時の抑制機能、全車速追従型アダプティブクルーズコントロール、パドルシフトなども加わる。そうなるとターボの正味価格は7万円程度だろう。

新型ハスラー ハイブリッドXの価格設定は、ワゴンRスティングレー ハイブリッドX(151万5800円)とほぼ同じだ。全高が1700mmを超える背の高いスズキ スペーシアギア XZ(164万4500円/2WD)に比べると12万円以上安い。軽自動車は競争が激しいため、後から発売された車種ほど割安になる傾向が強い。流行に乗ったSUVスタイルの軽自動車でもあるから、売れ行きも伸びそうだ。

なおスズキの販売店では2020年1月3日から初売りを行い、新春早々からハスラーの受注も積極的に行う。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:茂呂 幸正]

ハスラー発表直前に!? ダイハツが対抗馬のコンセプトカーをお披露目した

スズキがハスラーをフルモデルチェンジするタイミングで、ライバルのダイハツもサプライズの情報が飛び込んできた! 2020年1月開催の東京オートサロン2020でダイハツは、軽クロスオーバーのコンセプトモデルを出展するというのだ。その名は「TAFT(タフト)コンセプト」。しかも2020年の中ごろには市販化を予定しているというから二度びっくり。

TAFTコンセプトは、どこからどう見ても、スズキ ハスラーを強く意識してデザインされたことが分かる対抗モデルだ。2020年はスズキ vs ダイハツのガチな直接対決が勃発する!

その詳細は下記の記事でチェック!

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