がん患者 脱毛頭部を保護 「タオル帽子」長崎県に寄贈 葵会と九州ワーク

帽子を寄贈する納所さん(左)と吉村さん=県庁

 がん検診の促進や患者と家族の支援などに取り組むNPO法人「葵会」(佐世保市)と、作業服販売の「九州ワーク」(同)は20日、がん患者支援に役立ててもらおうと、抗がん剤治療で脱毛した頭部を保護する「タオル帽子」を県に500枚寄贈した。
 両者が10月から取り組んでいる「タオル帽子1000枚贈ろうプロジェクト」の一環。医療機関との調整などで県も協力している。
 帽子は葵会スタッフの指導を受け、九州ワーク社員が作った。タオル生地で吸水性に優れているため、患者からは「夏場も快適に過ごせる」「脱毛が進む時期も安心」と好評という。県内のがん診療連携拠点病院やホスピスなど18カ所に届けられる予定。年度内に残り500枚を作るという。
 同会代表の吉村市代さんと同社取締役の納所季代子さんらが県庁を訪れ、県医療政策課の伊藤幸繁課長に贈呈した。吉村さんは「活動の輪が広がるとうれしい」と述べた。納所さんは2年前と今月、女性社員をがんで亡くしたと明かし「がんの早期発見、早期治療につながるよう、今後も社員一丸となって取り組んでいきたい」と語った。

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