ネコが寄ってくる 雨の銚子電鉄9【50代から始めた鉄道趣味】187

トップ画像、なんでネコ? と思われるでしょう。実は次の君ヶ浜駅のプレハブ駅舎があった場所に簡易待合室的なベンチがあって、その上にいたネコが、ネコがあまり好きではない筆者に寄ってきてジーンズの裾にスリスリするので逃げまわったら、延びをして「あーあ しょーがねーな〜」と呆れた様子です。

海鹿島駅の続き。駅舎の正面には藤棚があります。右が駅に上る階段。藤棚が大好きなので花の季節(晩春)に来ればよかったかな~。藤棚の手前に海鹿島駅周辺の「文学碑めぐり案内図」があります。海鹿島の海岸エリアはひじょうに眺望が良く多くの別荘が並ぶ保養地でした。明治・大正時代の文人たちがこの別荘などに滞在したことで知られています。銚子出身の国木田独歩の碑や竹久夢二、小川芋銭(うせん)尾崎行雄などの碑があります。電話ボックスも最近では滅多に見かけなくなりました。

ホームにでて駅舎。手前は待合室になっています。線路はカーブして外川方面に向かいます。

錆びた駅名標。「関東最東端の海鹿島駅」の下に千葉県の形が描いてあることに後から気付きました。現場では「何の柄かなぁ」なんて思ってお仕舞い。

海鹿島駅は1923年(大正12年)銚子鉄道が運行を再開した年に開業しています。美味しいキャベツの産地だそうです。行ったのは晩夏なのでキャベツはありません。冬の作物ですからね。

ネーミングライツは、千葉県千葉市の有限会社石毛魚類さんの支援。「関東最東端より銚子港直送 千葉石毛魚類」といささか長い駅名になっています。

さてネコのいる君ヶ浜駅に移動しました。駅の北側にある踏切から駅全体を撮りました。単式ホームだけの超シンプルな駅です。

駅の階段。柱だけが残っていますがかつてはギリシャ風のアーチがありました。右手にあったプレハブ駅舎とともに老朽化で撤去されました。

ネコが寄ってきました。飼い猫なのかバンダナの様なものを巻いています。知らなかったのですが、2016年(平成28年)の夏までは「公認駅長」としてトラネコ「きみちゃん」が駅で飼われていたそうです。君ヶ浜だからきみちゃん。ストレートなネーミング。このネコは寄ってくるし、逃げても追ってくる。

逃げ回るので諦めたのかネコが草を食べ始めました。犬が草を消化とかの為に食べるのは知っていましたが、ネコも? ネコを飼った経験がないので分かりません。

ホームに上がって銚子方面を見ます。青いデミオはレンタカーです。この駅をキレイにしたのが千葉県立銚子商業高校の生徒さんたち。2017年(平成29年)10月のことです。鉄道チャンネルの記事https://tetsudo-ch.com/22592.html)によると2014年(平成26年)に笠上黒生駅で起きた脱線事故で運行不能になった2002編成をクラウドファンディングで集めた資金で修理したのもこの生徒さんたち。銚子電鉄メイクアッププロジェクトの第三弾で君ヶ浜駅をキレイにして塗装したのです。

駅名標。錆び錆びですが。1931年(昭和6年)の開業。1990年(平成2年)に設置されたアーチは2007年(平成19年)17年後に上部と壁面が撤去されました。2009年(平成21年)にはホームが延長されました。

ネーミングライツは、東京のソフトウェア会社、株式会社ミストソリューションさんの支援。ロズウェルというのは有名なアメリカのUFO事件の名前ですが「銚子もUFOで町おこしをしているから」名付けられました。なかなか気の利いたネーミング。何と銚子在住者のUFO目撃率は五割を超えているそうです。知らなかった。

余談。

暑い日だったので外川駅を撮影後の帰路、コンビニで冷えたお茶を買ったついでにネコ缶(140円くらいだったかな)を買って君ヶ浜駅のネコ君にプレゼント。あっと言う間に食べちゃったのでオナカがへっていたのかな。しかし全くニャアともなかないネコでした。嬉しいのか悲しいのか分からない。

ところで、気が付きましたか? 君ヶ浜駅で雨がやんだのです。嬉しかった~。

雨の銚子電鉄10【50代から始めた鉄道趣味】188 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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