全国高校サッカー 30日から首都圏 長総大付 堅守ベースに一戦必勝

“中盤のつぶし屋”としての役割を担う長崎総合科学大付の鶴田(中央)=長崎市、県体協人工芝グラウンド

 サッカーの第98回全国高校選手権は30日、各都道府県代表48校(東京2校)が出場して東京・駒沢陸上競技場で開幕し、首都圏各地で試合が行われる。長崎県勢は長崎総合科学大付が4年連続7度目の出場。主将の高武は「全国切符を取るまで苦労した分、どのチームより気持ちは強い。全力でぶつかりたい」と一戦必勝を誓う。
 長総大付は前々回に初めて8強入りすると、前回も3回戦まで進出。全国で着実に勝てるチームに仕上げてくる頼もしさがある。今季は県内無冠の時期が続いたが、夏以降に急成長。対戦相手への対策を徹底しながら、混戦の県大会を勝ち上がってきた。
 今年は絶対的なエースが不在のため、堅守をベースに粘り強く戦う。県大会で一躍脚光を浴びたのはMF鶴田。相手のキープレーヤーを執拗(しつよう)にマンマークして、準決勝、決勝の勝利に大きく貢献した。「相手に仕事をさせないのが、自分の仕事」と言い切る。
 攻撃の軸は県大会得点王のFW千葉翼。特に「相手より滞空時間が長いのが強み」と空中戦に自信を持っており、1年前の全国選手権でも頭で1ゴールを挙げた。攻撃の起点としても働ける。
 下級生も台頭してきている。強靱(きょうじん)な足腰で遠めからでも積極的にシュートを打てるFW国吉、ハイボールに強いGK梶原は2年生。センターバックの児玉は、1年生ながら冷静な戦術眼を備えている。
 1回戦(31日14時10分・駒沢陸上競技場)で戦う丸岡(福井)は出場30度目の常連。今季も南部九州インターハイ16強、プリンスリーグ北陸3位と安定した成績を残している。勝ち上がれば、2回戦(来年1月2日)で優勝候補の一角に挙がっている静岡学園との対戦となりそうだ。
 難敵続きの組み合わせに、全国大会で17度の優勝を誇る小嶺監督も「今年はいつもの2倍も3倍も神経を使って、伸ばせるところまで伸ばして何とかここまで来た。色気は出さずにいきたい」と控えめだが、同時に「伸ばしきったゴムが切れてしまわないように、最大限生かせるようにしたい」と勝負師の顔ものぞかせている。

4年連続7度目の選手権に挑む長崎総合科学大付

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