【MLB】コール獲得のヤ軍は「WS進出が見えている」 地元紙「近いチームすらない」

ヤンキースに移籍したゲリット・コール【写真:Getty Images】

NY紙はア東地区球団の補強がうまくいっていないことを指摘

 アストロズからFAになったゲリット・コール投手を9年総額3億2400万ドル(約354億円)で獲得したヤンキース。地元紙「ニューヨーク・デイリーニュースは「ゲリット・コールを獲得したヤンキースはワールドシリーズ進出が見えている」とのタイトルで今オフの動きを詳報。来季はガチガチの世界一候補であると指摘している。

 記事は「(オーナーの)ハル・スタインブレナー氏はヤンキースがワールドシリーズ制覇をすること、球界で圧倒的な立場に返り咲くことの邪魔になる相手を全て蹴散らすことを決意した」とし、その根拠を示した。今季ヤンキースにはコールがいなかったこと、故障者が続出したにも関わらずシーズンの大半で地区首位を維持して優勝したこと、ア・リーグ最大のライバルになるであろうアストロズとレイズの戦力がダウンしたこと、ナ・リーグ強豪のナショナルズとドジャースの補強がうまくいっていないことを指摘した。

 記事は「理論上、総合力と選手層でヤンキースに近いチームすらないように見える」と断じ、他球団のオフの動きを記している。今季ア・リーグ東地区2位だったレイズはFAでトラビス・ダーノー捕手を失い、パドレスのハンター・レンフロー外野手とのトレードでトミー・ファム外野手を放出したことに言及した。

 記事は「ファムは今季レイズで出塁率トップ(.369)だったが、レンフローは今季33本塁打も、154三振で出塁率が.289だった」と指摘。更に「日本人スラッガーのヨシトモ・ツツゴウと契約し、レイズは明らかに打撃を向上させようとしているが、レンフロー以上に三振が多く、今季球界で断然最低の打者だったマイク・ズニーノがまた捕手を務めることになるであろうため、打線が向上すると考えることは難しい」としている。ズニーノは今季90試合に出場、打率.165だった。

 さらに記事は「レイズは現時点でオフにパッとせず、レッドソックスは年俸を抑えようとしており、ブルージェイズとオリオールズは再建中である。ヤンキースはア・リーグ東地区を快走するとみられる」と伝えている。

ア・リーグの他地区、ナ・リーグも効果的補強をしたチームはないと説明

 記事はア・リーグ他地区に言及。中地区には強豪チームがなく、ツインズにはエースがおらず、注目はヤスマニ・グランダル捕手を獲得したホワイトソックスだが、先発投手が十分でないと指摘している。さらに西地区ではコールを失ったアストロズが再び100勝するチームになるようには見えず、アスレチックスも大きな補強はしないであろうとし、「ヤンキースのワールドシリーズ進出は見えている」と断じている。

 記事はさらにナ・リーグについても指摘。「ナショナルズ、ドジャース、ブレーブス、カージナルスといったワールドシリーズ進出の可能性のあるエリートチームも(ヤンキースよりも)現時点で良いチームではない」と評して説明を加えている。

 記事によると、ブレーブスはダーノーと抑えのウィル・スミス投手を獲得したが、FAとなったジョシュ・ドナルドソン内野手の打撃の穴は埋められず、ナショナルズはスティーブン・ストラスバーグ投手と再契約したものの、アンソニー・レンドン内野手を失った穴は大きいと指摘。ドジャースはFAとなっていたコール、レンドン、コーリー・クルーバー投手、マディソン・バムガーナー投手の獲得をことごとく逃し、心配するようなチームではないと伝えている。

 2009年の世界一以来、ワールドシリーズ出場からも見放されているヤンキース。今オフの主役が再びトップに君臨できるか。2020年は注目の1年になる。(Full-Count編集部)

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