各社から独特のルックを実現したシネマレンズ登場
今年のシネマレンズ業界のトピックはずばり「独特のルックを実現したシネマレンズ」だ。キヤノンは「Sumire Prime」、シグマは「Classic Art Prime」、トキナーは「Tokina Vista One」を発売。発売は来年のため今年のノミネートから外れているが、ツァイスも「Supreme Prime Radiance」を発表した。カメラマンからは、デジタルっぽさのない独特のルックを備えたレンズを求める声が大きく、各社レンズメーカーはそれに応えた形だ。
キヤノンのSumire Primeは、これまでのEFシネマレンズから基本的な光学設計を継承しつつ、より被写体を印象づける柔らかな映像描写を実現するための調整が行われている。PLマウントを採用し、7種類の焦点距離で発売中。
トキナーVista Oneは、シングルコートの光学系やシングルコートの非球面フロントエレメントを採用し、コントラストの低下やレンズフレアのコントロールを可能にしている。焦点距離は18mmから105mmの6本で、T値は1.5。それ以外は、35mmフルフレームより大きな46.7mmのイメージサークルや約300°のフォーカス回転角、ブリージングがほとんど生じないなど、Vista T1.5と同じ仕様となっている。
シグマのClassic Art Primeシリーズは、これまで14mmから135mmまでの10本のプライムレンズシリーズの光学設計を基に、コーティングを見直すことによってクラシックな外観を実現。10個セットでのみ入手可能。
キヤノンSumire Prime(左)、トキナーVista One(中央)、シグマClassic Art Prime(右)
ラージフォーマット対応のズームレンズ「Premista」登場
富士フイルムは、ラージフォーマット対応のハイエンドシネマズームレンズ「Premista」を発売。一部の国内のレンタル機材店でもレンタルがスタートしている。富士フイルムはこれまで多数のスーパー35mmフォーマット対応PLマウントズームレンズを発売してきたが、Premistaは初のラージフォーマット対応ズームレンズだ。
46.3mmのイメージサークルを備えており、ソニーのVENICE、ARRIのALEXA、ALEXA Mini LF、RED MONSTRO、キヤノンEOS C700などに対応。「28-100mm T2.9」と「80-250mm T2.9-3.5」2本のラインナップで、28-100mmはズーム全体でT値は2.9、80-250mmも最大開放T値はT2.9だが80-250mmは200カラ250mmの間でT値が高くなる仕様になっている。
Leitz CINEからはラージフォーマット対応のプライムレンズ「Leitz Prime」登場
Leitz CINEは、ビスタビジョンのイメージサークルをもつプライムレンズ「Leitz Prime」を発売。18mmから180mmまでの12本構成で、そのうち8本のデリバリーがスタートした。T値は180mmがT2.2、それ以外は全てT1.8。前径は114mmとなっている。
Leitz Primeの特徴は、性能の高さだ。Summilux-Cはレンズ性能テストで高い数字を実現しているが、Leitz Primeはフルフレーム対応で、そのSummilux-Cを超える性能の高さを実現予定とのこと。
ニコンから開放F値0.95を実現した大口径標準単焦点マニュアルフォーカスレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」が登場
シネマレンズではないが、ニコンはフルサイズ(ニコンFXフォーマット)ミラーレスカメラ対応の大口径標準単焦点マニュアルフォーカスレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」を発売。特徴は0.95という浅い被写界深度だ。フォーカスリングの回転角は約300°と大きく、微妙なピント合わせができる仕組みを実現している。描画は、0.95の開放からシャープで、絞ると被写界深度がそのまま深くなっていく感じだ。
PRONEWS AWARD 2019 レンズ部門ノミネート製品
以下がカメラ部門のノミネート製品となる。
- キヤノン「Sumire Prime」
- トキナー「Vista One」
- シグマ「Classic Art Prime」
- 富士フイルム「Premista28-100mmT2.9/80-250mmT2.9-3.5」
- Leitz CINE「Leitz Prime」
- ニコン「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」
何が受賞するのか…?発表は、次頁!