長崎、佐世保を分社化 西部ガス検討 2021年4月めどに

 西部ガス(福岡市)は24日、2021年4月をめどに、持ち株会社への移行や長崎、佐世保、熊本の3地区を分社化する検討を始めたと発表した。分社化に伴い、各地区にはエリア内のガス事業を担う地域会社を設立し、持ち株会社の傘下に入る方針。経営環境の変化や多角化を進める中、地域に応じた効率的な事業運営と、グループ経営体制の強化を図る。
 長崎県内には、「西部ガス長崎」と「西部ガス佐世保」(いずれも仮称)をそれぞれ長崎市、佐世保市に設立予定。西部ガスと子会社が個別に事業を行っている都市ガス小売り、LPガス販売、点検・検針といったガス事業の機能を集約し、効率化とサービス向上を目指す。各エリア内のグループ会社の拠点は統合も検討する。人員態勢は未定。
 地域会社は西部ガスの料金体系を引き継ぎ、移行に伴う料金の変更はない。移行に際しては利用者側が新たな手続きをせずに済むよう進めるという。
 経営体制を見直す背景には、少子高齢化の進展、都市ガスや電気の小売り全面自由化に伴う競争激化など厳しさを増す事業環境がある。会見した道永幸典社長は、「変革を通してさらなる飛躍を図る」と述べた。

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