わがまち回顧 五島支局 課題解決へ高校連携を

海洋ごみ対策をテーマに高校生が開催したイベントで、海岸のごみを拾う参加者。世代を超えて多くの市民を巻き込んだ=5月、五島市岐宿町

 五島の活性化や課題の解決に向け、積極的に活動する高校生の姿が目立った。等身大の発想や行動力で、住民を巻き込むイベントを開催したり、新たな特産品を生み出したり。頼もしい半面、各校を取材して回る中で気になる点があった。
 各校の生徒が「海ごみ対策」や「未利用野菜の活用」といった同じ課題に取り組みながらも、活動は学校ごとに別々で情報などが共有されていないのだ。もったいない。
 一案だが、海ごみ調査の形式を共通化すれば、各校のデータを集めてより広い視野で分析や対策に取り組める。特産品開発なら、コンテスト形式で実現性や独自性を高め合えないか。やり方はいくらでもある。学校や行政はサポートすべきだ。
 地域で活動した生徒の多くが「将来は島に戻って働きたい」と異口同音に語った。そんな若者が高校時代から、同じ志を持って共通の課題に取り組めば、人口減や産業衰退に直面する島の将来を変える大きなうねりが生まれるに違いない。
 市内では今年、移住者の流入で「社会増」が実現しそうだ。一方、高校生の大半が卒業すると島を出る現状は変わらない。彼らが「戻る」選択を促すのは、人とのつながりだと思う。

 ■主なニュース

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