ロッキーズ・アレナード トレードの可能性について口を開く

ウィンター・ミーティング期間中からトレード放出の可能性が取り沙汰されるようになったノーラン・アレナード(ロッキーズ)は、自身のトレードの可能性について沈黙を貫いてきた。しかし、ようやく重い口を開き、慎重に言葉を選びながら「毎年と同じように(次のシーズンに向けて)準備を進めているよ」とコメント。球界屈指のスター三塁手は、周囲の雑音に惑わされることなく、来季の戦いだけをまっすぐ見据えているようだ。

そもそも、ロッキーズがどれくらい真剣にアレナードの放出を検討しているかは不透明である。レンジャーズなど、アレナードの獲得に興味を示しているチームの名前は報じられているものの、トレードの交渉が進展している様子は伝わってこない。アレナードの超大型契約、トレード拒否権、オプトアウト権など、トレード成立に向けての障壁も多い。

今季71勝91敗に終わったロッキーズが、どのような姿勢で来季に臨むのかも現時点では見えてこない。所属するナショナル・リーグ西部地区には絶対王者のドジャースがおり、ダイヤモンドバックスやパドレスは積極的に戦力補強を進めている。このような状況のなかで来季も勝負にいくのか、それとも数年後の戦いを見据えて戦力を整理するのか、首脳陣も決断しかねているのだろう。

今オフの補強に使える予算がほとんどない状況だが、今季期待を裏切ったカイル・フリーランド、ウェイド・デービス、ダニエル・マーフィーらが本来のパフォーマンスを取り戻し、今季貴重な経験を積んだデービッド・ダール、ライアン・マクマーンらがさらなる成長を見せれば、上位争いに加わることも決して不可能でない戦力を有している。主力選手もチャーリー・ブラックモンを除く大部分が20代であり、アレナードをチームの核として「勝負モード」を継続できる状況と言える。

アレナード放出後の三塁を埋められるような人材もチーム内には見当たらず、アレナードの放出は実現しないと予想する専門家は多い。好条件のオファーが届かない限り、アレナードは来季もロッキーズの中心選手として例年通りの活躍を見せてくれることだろう。

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