作品完成までの流れを紹介「試作とかはしません」「完成までは2時間くらい」
3年連続で日本一に輝いたソフトバンクホークス。そのホークスのファンで、選手の名前を用いて「書道」と「絵」を組み合わせた「書道アート」を描く書道アーティストをご存知だろうか? 最近はテレビの情報番組にもたびたび取り上げられ、注目度が急上昇しているのが、書道アーティストの原愛梨さんだ。
自身のツイッターやインスタグラムで披露していた「書道アート」。その凄さがツイッターやインスタグラム上で反響を呼び、一気に広まりを見せた。ソフトバンクの選手に始まり、作品は今季で現役を引退した阿部慎之助捕手や侍ジャパンメンバーなどなど。11月のソフトバンクのファンフェスティバルでは原さんの作品が選手の“ユニホーム”のデザインに採用され、公式グッズにもなった。
人気急上昇中の原愛梨さんとは一体何者なのか? 書道アートとは? なにがキッカケだったのか? そんな疑問についてFull-Countが独占インタビュー。第2回は作品が完成するまでの流れについて明かしてもらった。
――ファンだけでなく、選手たちにも大きな衝撃を与える原さんの作品。一体、どのように制作されるのでしょうか?
「1番最初に(選手の)フォームから入ります。1番最初に作品として書いたホークスの高橋純平投手であれば、1番特徴的な、1番好きなポーズはどれかと考えた時に、足を上げたところだったんですね」
――そのフォームを文字で象っていますが、バランス等はどう考えているのでしょうか?
「自分の感覚ですね。書きながら、書きながら、その都度考えていってます」
――何度も試作して完成させていくのでしょうか?
「いえ、だいたい一発で書き上げてしまいます。試作とかはしないですね。まずはフォームやシルエットを考えて、そこに字を当てはめてデザインしていきます。その後、背景とかを考えていきます」
――1つの作品が完成するまでにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
「いつもツイッターやSNSに載せているヒーロー選手の作品ですと、試合のその場でヒーローが決まるので、そうしたらなるべく早く、2、3時間以内にはSNSにアップあげられるようにしています」
夢は世界進出「2020年にはこの『書道アート』とともに世界進出していきたい」
――かなり完成まで早いですね。
「私、機械オンチなので動画の編集に時間がかかるんです。動画の編集に1時間くらいはかかるので、作品自体を描くのはだいたい1時間くらい。構想ができれば、実際に描くのは15分くらいで出来ますね。構想に凄い時間がかかることもありますけど」
――デザインとかの構想はいつ考えていますか?
「だいたい常に考えていますね。考えているのが楽しいので考えていますし、お風呂入っている時も寝る時もずっと考えています」
――これまで作った中で1番の大作は何でしょう?
「1番最初に『書道アート』を描いた『鶴の恩返し』ですね。胴体の部分に『むかしむかしあるところに……』と鶴の恩返しのストーリーを書いてあるのですが、それは大作でした」
――なぜ最初に「鶴の恩返し」を選んだのでしょうか?
「海外にも書道を広めたいと思っていました。そこで書道だけじゃなくて、書と“何か”を組み合わせたいと考えました。『日本昔ばなし』を組み合わせることによって、海外から来た人が見たときに興味を持ってもらえるのではないか、と」
――海外の人たちに見てもらうことを意識した、と。
「これを見て、海外の人が『何が書いてあるのだろう?』『日本の平仮名が書いてあるのか』『何の話が書いてあるんだろう?』『日本の昔からある昔話なんだ』と、ストーリー性が説明できる。1枚の作品の中にストーリーも作れるんだと思って、いいなと思って」
――視線は海外にも向いているのですね。
「夢は世界進出です。2020年にはこの『書道アート』とともに世界進出していきたいなという夢を持っています。来年は東京五輪もあって海外の方も数多く日本に来られると思うので、書道と書道アートの魅力を伝えていきたいと思っています」(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)