【政治関係者必読!】ネズミ年、日本での五輪開催年は「ほぼ確実に」内閣交代?!  2020年政局の展望は

はじめに

200回の節目となった臨時国会は、今月9日、67日間の会期を終えました。

臨時国会は、7月の参議院選挙を受け、事実上、初めての本格論戦となる予定でしたが、
菅原一秀・前経済産業相、河井克行・前法相、萩生田光一・文部科学相の公職選挙法等の違反容疑が報道されました。

さらに、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」について、反社会勢力が参加していた、マルチ商法の宣伝に利用されていた、招待者の基準が不明確で、首相の地元後援者や昭恵夫人の知人らが多数参加したため税金を遣った後援会活動にあたるのではないか等の指摘がなされています。

内閣「不支持」率・「首相が信頼できない」上昇

こうした指摘は、報道各社の世論調査にも現れていて、安倍内閣の「不支持率」が上昇し、不支持の理由として、「首相(の人柄)が信頼できない」と回答する割合が増加しています。
直近に実施された主な報道機関の内閣「不支持率」を見ていきます。
▼NHK(12月6~8日実施)37%と前の月に比べて2ポイント上昇した他、
▼時事通信(12月6~9日)35.3%(前月比+5.9)、
▼読売新聞(12月13~15日)40%(前月比+4)
▼ANN(12月14~15日)40.6%(前月比+6)
▼共同通信(12月14~15日)43%(前月比+5)となっています。
このうち、不支持の理由を尋ねたところ、「首相の人柄が信頼できない」と回答した人の割合が共同36.1%、NHK47%となっています。

一昨年17年の国会で「森友・加計疑惑」の追及が続いていた時期(17年7月=都議選での自民党惨敗)のNHK調査で「首相の人柄が信頼できない」と答えた割合が44%でしたから、不支持の理由として「47%が首相の人柄が信頼できない」と答えた割合がいかに髙いかがわかります。
読売では、桜を見る会を巡る一連の問題について、政府のこれまでの説明に「納得していない」とした人は75%に上り、与党支持層に限っても「納得していない」は6割を占めていると報じていて、年明け以降、安倍首相は厳しい政権運営が予測されます。

ネズミ年~内閣交代or政変が起こる

まもなく2020年・ネズミ年が始まります。戦後6回のネズミ年を振り返って見ますと「必ず」内閣交代か政変が起きています。

08年は、福田康夫内閣から麻生太郎内閣へ交代しました。

96年は、年明け早々、村山富市首相が辞意を表明し、橋本龍太郎内閣が発足しました。

72年は、安倍首相の大叔父・佐藤栄作首相が7年8か月の任期を終え、「角福激突」の自民党総裁選挙を制した田中角栄氏が首相に就任しました。

60年は、安倍首相の祖父・岸信介首相が、日米安保条約の改定を見届け、池田勇人氏に後を譲りました。

48年は、片山哲内閣の辞意芦田均内閣発足と7か月後の崩壊、さらに昭和電工事件での逮捕、第2次吉田茂内閣と目まぐるしい政局が展開されました。

唯一、内閣交代がなかった84年も、中曽根康弘首相に批判的だった鈴木善幸氏、福田赳夫氏らが、自民党の二階堂進氏を中曽根首相(総裁)の後継にしようとした「二階堂擁立構想」が表面化しました。

日本での五輪開催年は「必ず」内閣交代

日本では、64年東京、72年札幌、98年長野と過去3回、五輪が開催されました。3回とも五輪開催後に、「必ず」内閣が交代しています。

64年は、池田首相の病状が悪化し闘病生活に入ることから、東京五輪が閉幕した翌日、辞意を表明し、佐藤栄作氏が後継の首相に選ばれました。

その佐藤首相は、72年2月に札幌五輪が開催された後、6月に退陣を表明し、7月に田中内閣が発足しています。

98年は、長野五輪後、7月に行われた参議院選挙の敗北の責任をとり、橋本龍太郎首相が辞任し、小渕恵三氏が梶山静六氏、小泉純一郎氏との争いなった総裁選挙を勝ち抜き、首相になっています。

2020ネズミ年・政局は?

「ネズミ」は「寝ず身」に転じ、寝ずに働くと解されます。衆議院議員の任期が半分を超え、解散総選挙も取りざたされる中、議員や秘書は「寝ずの身」で活動を強いられる年となるのでしょうか?

また、「ネズミ」は、災いを事前に予知し、その場からいち早く逃げる能力を持っているとも言われています。

これに習えば、支持率が低迷する政党を脱し、「大きな固まり」を目指す野党勢力として結集していくことになるのでしょうか?

祖父・岸首相が、宏池会創始者・池田勇人氏に首相を禅譲したように、安倍首相が宏池会会長の岸田文雄・政調会長にバトンを渡せば、「60年前」の歴史が繰り返されます。

衆議院選挙が行われ野党勢力が勝利し、枝野幸男内閣が発足して内閣が交代すれば、今回のネズミ年も内閣交代・政変の年となります。

「元号変更後は半年以内で、必ず内閣が交代」した歴史(※注釈)を打ち破った安倍首相はどのような決断をするのでしょうか?解散総選挙をめぐり、より激しい攻防が展開される「20年・ネズミ年」は、目が離せない年になります。20年の政治日程は、来月20日召集見込みの通常国会から始まります。

※注釈=「元号変更=半年以内で必ず内閣交代」
・明治45年(1912)7月30日崩御→大正元年(1912)12月21日 西園寺公望→桂太郎
・大正15年(1926)12月25日崩御→昭和2年(1927)4月20日 若槻礼次郎→田中義・昭和64年(1989)1月7日崩御→平成元年(1989)6月3日 竹下登→宇野宗佑

当面の主な日程

1月

2日(木)一般参賀@皇居
6日(月)連合賀詞交歓会
7日(火)経済三団体(経団連・経済同友会・日商)新年祝賀パーティー
14日(火)~18日(土)共産党大会
17日(金)阪神・淡路大震災25年追悼式典
19日(日)国民民主党大会
19日(日)京都市長選告示→2月2日(日)投開票
20日(月)第201回通常国会召集の見通し 【会期は6月17日(水)】

2月

16日(日)立憲民主党大会
17日(月)10~12月期のGDP速報値公表

3月

8日(日)自民党大会
11日(水)東日本大震災追悼式典
12日(木)安倍首相在職3000日
15日(日)中曽根康弘元首相の党・内閣合同葬

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