バレエ留学 夢への第一歩 熊崎はゆらさん アルメニアへ、豊田夕羽希さん オーストラリアへ 期待を胸に来月出発

 長崎市出来大工町の愛花バレエ教室に通う同市の活水高3年、豊田夕羽希(ゆうき)さん(18)と、諫早市の同2年、熊崎はゆらさん(16)が、それぞれ1月からバレエの海外留学に出発する。夢への第一歩となるバレエ漬けの日々に、期待を膨らませている。
 豊田さんは1月下旬から、オーストラリアに新設されるバレエ学校「メルボルン・コンセルバトワール・オブ・バレエ」に2年間留学する。1期生としてクラシックやコンテンポラリー、振り付けなどを学ぶ。
 2歳から愛花バレエ教室に通い、バレエが大好きな豊田さん。昨年から海外留学のオーディションをいくつか受け、同校への切符を手にした。「生活していけるか不安だけど、本場のバレエに触れて日本では学べないことをたくさん吸収したい」と目を輝かせる。
 熊崎さんは1月上旬から、旧ソ連・アルメニアの国立バレエ学校へ留学する。3月に長崎市であったワークショップを受けて同校から声がかかった。9月にオーディションを兼ねた短期留学に参加し、本格的な留学が決まった。
 熊崎さんは3歳からバレエを始めたが、まもなく引っ越しで中断。小学3年から再び教室で習い始め、愛花バレエ教室には中学3年から通っている。留学は当初、視野に入れていなかった。「高校卒業後は大学に進学してバレエは続けられたらいいなと思っていたけれど、せっかくもらったチャンス。技術を学びたい」と意気込む。
 愛花バレエ教室では現在、週4~5日練習している。指導する平原愛子さんは「2人とも真面目にこつこつ、マイペースに頑張ってきたのが実った。向こうはバレエに専念できる環境なので、楽しみながら吸収して、その後のチャンスにつなげてほしい」と目を細める。
 互いについて、熊崎さんは「とても上手で、いつも練習ではゆうちゃんの後ろで踊っている。憧れの存在」。豊田さんは「はゆらちゃんは花があって舞台でも練習中でもきらきらしている。海外で離れてしまっても、頑張っているなら私も頑張ろうと思える」と話す。
 バレエの魅力を尋ねると、踊りはもちろん衣装や音楽、舞台セットを含めた「上品で美しい世界観」と口をそろえる。目指す踊りについて、豊田さんは「つま先、指の先まで丁寧にコントロールしてきれいに見せたい」、熊崎さんは「物語をきちんと伝えられるダンサーになりたい」。理想のバレリーナへ向け、2人の挑戦が始まる。

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