2018年MVPのRソックス・ベッツ トレードの行方はどうなる

オフシーズン当初、トレード候補の筆頭に挙げられていたムーキー・ベッツ(レッドソックス)が移籍する可能性は日増しに低下している。莫大な対価が必要であること、年俸が高額であること、契約延長に応じる可能性が低いことなどがその理由だ。年俸総額削減が急務となっているレッドソックスでは、現在ベッツよりもデービッド・プライスやジャッキー・ブラッドリーJr.のほうがトレード放出の可能性が高いと見られているが、ベッツはこのままレッドソックスの一員として来季の開幕を迎えることになるのだろうか。

レッドソックスは来季の年俸総額をぜいたく税の対象ラインとなる2億800万ドル以内に抑える方針であり、年俸調停期間のラストイヤーとなる来季の年俸が2770万ドル前後と予想されているベッツは放出候補の1人となっている。しかし、そもそも年俸2770万ドルの選手を引き取ることができるチームの数は限られており、しかもベッツは1年後にフリーエージェント市場へ出て自身の価値を試したいとの意向を明言しているため、契約延長に応じる可能性も極めて低い。つまり、1年間だけベッツを保有することと引き換えに有望株を放出し、さらに高額の年俸を負担する必要があるというわけだ。このようなトレードに応じるチームが現れないのは当然のことと言える。

ベッツのトレードが成立するとすれば、今オフの大型補強を目指していたチームがことごとく補強に失敗し、スプリング・トレーニング付近で「最後の手段」としてベッツ獲得を希望した場合のみに限られるだろう。現時点ではドジャースがリリーフ右腕のブレイク・トライネンを獲得した以外に目立った補強を行っておらず、豊富な選手層を活かしてベッツ獲得に乗り出す可能性はある。ただし、ドジャースの「本命」はフランシスコ・リンドーア(インディアンス)であると見られており、リンドーアを獲得する大型トレードが成立すれば、その時点でベッツ獲得に動く可能性は消滅するだろう。

これらのあらゆる事情を考慮すれば、ベッツはフリーエージェント前のラストイヤーもレッドソックスの一員として開幕を迎える可能性が極めて高いと言えそうだ。

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