【3つの難関“ドクターヘリ”輸送大作戦!】

一秒でも早く現場へ向かう「ドクターヘリ」。そのベストセラー機を生産する川崎重工岐阜工場で、めったに見られない機体の輸送作戦に密着。ルート上には“3つの難関”が!

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命を救うため一秒でも早く離陸し現場へと向かう「ドクターヘリ」。そのベストセラー機を生産する川崎重工岐阜工場で、めったに見られない塗装前の機体の輸送作戦に密着。なんと輸送ルートには“3つの難関”が待ち構えていた! 

ドクターヘリのベストセラー機「BK117」

救命活動に欠かせない「ドクターヘリ」。最高時速270キロ、120キロ離れた場所でもおよそ30分で到着する“最速の乗り物”だ。医師や看護師が乗り込むため、別名“空飛ぶ救命室”の異名を持つ。そのベストセラー機「BK117」を生産するのが航空宇宙産業の集積地、岐阜県各務原市にある「川崎重工岐阜工場」である。

早朝5時からの輸送大作戦

岐阜工場には3つの工場がある。最も北にある「北工場」で組み立てを終えると、塗装のため今度は最も南にある「南工場」へ機体を運ぶ。輸送が始まるのは薄暗さが残る朝の5時。大きなトラックがやってきた。位置を細かくコントロールしながら、機体を荷台に着地させると、いよいよ輸送大作戦が始まる。

 ルートは北工場から中工場を通過し、南工場の塗装場まで。途中、一旦公道に出るのだが、そこに“3つの難関”が待ち構えていた。

 ゆっくりと北工場のゲートを出る。するとすぐに一般道に入る。人通りや交通量の少ない早朝の時間帯とはいえ安全第一。時速およそ20キロで進んでいく。すれ違うお父さんも珍しい光景にびっくりのようだ。出発して間もなく“第1の難関”に差しかかった。

 <難関①>JR高山線の踏切

第1の難関はJR高山線の踏切り。踏切への進入は急カーブになっている。横断する際のガタガタする揺れにも気をつけなくてはならない。ゆっくり進んで・・・無事、線路を通過。しかし、まだ最初の難関を越えただけ。ここで気を緩めるわけにはいかない。

ヘリを積んだトラックは、中工場の敷地内を進んだ後、再び公道に出る。ここで“第2、第3の難関”が立て続けに現れた。

<難関②③>名鉄踏切&国道21号高架下

まずは第2の難関、名鉄の踏切。先ほどと違って線路が2本(上下線)あるため、幅も2倍、がたがたも2倍。大丈夫か?ゆっくり、ゆっくり・・・ふぅ~無事に通過した。ホッとする間もなく第3の難関がやってくる。それは国道21号の高架下の潜り抜けだ。なんだかぶつかりそう。特にピンと上に突き出したテールが気になったが、セーフ!お尻も無事通過した。

3つの難関をすべてクリアし、機体は「南工場」の中へ。南工場はヘリコプターや航空機のテストフライトが行われる場所で、とにかく敷地が広い。ついに目的地の塗装場に到着。輸送作戦はこうして大成功に終わった。

真っ白になって2週間後にお目見え!

2週間後、ボディの塗装を終えると真っ白な姿に大変身。ボディの両脇には鮮やかな青色で「ドクターヘリ」の文字が刻まれた。あれ?大事なもの、プロペラの羽根“ブレード”。が付いていない。4本のブレードは人の手で取り付けられる。まるで御神輿のように担ぎ上げ、1本1本慎重に取り付けを終えると「ドクターヘリ」の完成である。

最後にテストフライトをして計器類をチェック。こうして“空飛ぶ救命室”が最前線に配備されていくのである。

                          【工場fan編集局】