上川隆也が佐方貞人と糸村聡を分析!その共通点と相違点とは?

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上川隆也が佐方貞人と糸村聡を分析!その共通点と相違点とは?

上川隆也さん主演の「検事・佐方」が帰ってくる! 堅固とした法曹の世界をベースに、緻密な構成と骨太な人間ドラマが評価され、ミステリー慣れした読者をもうならせてきた、作家・柚木裕子さんの代表作「検事・佐方貞人」シリーズの最新作「検事の信義~裁きを望む」が、早くもテレビ朝日系で映像化されます。今回は主演の上川さんにインタビューをさせていただき、役柄や共演の水崎綾女さんについて、本作と同じく上川さんが主演を務められる「遺留捜査」との対比などを伺ってまいりました。

──第4弾が決まっての感想をお願いします。

「待ちわびていました。柚月先生の原作が上梓されれば新作の撮影ができると聞いていたんです。ドラマとして佐方を演じられる日がいつ来るだろうと心待ちにしておりましたので、先生の新刊の発表を聞いた時にはひすかに快哉を叫びました」

──そんな待望の台本が出来上がってきて、印象はいかがでしたか?

「今回の事件は、非常に巧妙に法律の盲点をついて行われるものなんです。その仕組み、からくりを2時間という枠でドラマに仕立てて、お客さまに分かっていただくというのが一つ課題として受け取った部分でした。そこは常に意識しながら演じさせていただいています」

──今作では松下由樹さんや伊武雅刀さんらレギュラーのキャスト陣に加えて、石野真子さんなどのゲストもご出演ですが、現場の雰囲気をお聞かせください。

「石野真子さんとは、今回シーンでご一緒できなかったものですから、待ち時間にお顔を合わせるぐらいしか時間がなくて…。そこは残念だったのですが、相変わらずかわいらしかったです。僕がアイドルとして拝見していた頃と全然変わらないとあらためて思いました。休憩中などでも遠くから笑って手を振ってくださるんです。それがもう本当にすてきでした。レギュラーの松下さん、伊武さんは多少間があきましたが、何か変わるということはありません。会ってすぐにいつものようにお芝居ができるというのが楽しいですし、ありがたいです」

──水崎綾女さんとの共演はいかがでしたか?

「彼女の空気はこれまでパートナーを務めてきてくださった方々とはまた一つ違った雰囲気をお持ちの方でした。今回は、お家騒動の中で起きる巧妙な犯罪を核として進んでいくので、堅めの物語になっているんです。そんなところに底抜けの明るさで、柔らかい風をもたらしてくださったのが、水崎さんの存在でした。もちろんしっかりお考えになっているんでしょうけれども、それをことさらに表面に表してくる方ではなくて、現場では常に朗らか、常に笑顔なんです。だからこそ重い物語を描く舞台裏に、和む空気がもたらされたと思います」

──それは上川さんを含めたレギュラー陣の皆さんが、ゲストの方にも入りやすい雰囲気づくりをされているからでしょうね。

「現場に自分をそのまま持ち込める、水崎さんの心(しん)の強さやしなやかさを、僕はむしろ感じていました」

──佐方貞人という役柄についてどう捉えていらっしゃるかに加えて、ご自身との共通点があれば教えてください。

「簡単な方からお答えすると、共通点はないかもしれません(笑)。そもそも僕が司法試験に合格するとも思えませんし……。佐方貞人の生き方ってある意味、不器用なんだと思うんです。これまでに3作描かれてきた中で、少しずつ彼のプロフィールがひもとかれてきました。どこか寡黙に過ごしていながらも、いまだに父親という存在の影をどこかに色濃く背負いながら歩いている男です」

──なるほど、“不器用”ですか…。

「後に“ヤメ検”として弁護士になるという第1作の内容も踏まえると、今検事である佐方は、常にタイトロープのような危なっかしい道を歩きながら、『検事』という職業に対する矜恃を保っている男なんです。それがほんのわずかにズレてしまったことで弁護士へとキャリアを変えていくのですが、そんな選択をしてしまうところを不器用に思いつつ、一方で、男同士の目線では愛おしいというか……。愛せる部分なのだろうと思います」

──不器用だからこそ冷静で、曲がったことが大嫌いというのはもちろんですが、とても思いやりにあふれているキャラクターなのではと思います。

「見方によっては極端ともいえる頑固さを変えない佐方ですが、自分の目の前に示された事件や、裁かれる対象の人たちを真っ当に裁くまでは手放さないというのは、ある種の思いやりといえるかもしれません。」

──佐方は不器用というお話もありましたが、愚直に真実を追い求めていて。同じく上川さんが演じられている「遺留捜査」シリーズの糸村聡と共通する部分があるのかなと思うのですが、そんな2人のキャラクターを比較していただくといかがでしょう?

「僕は演じていて、それぞれのキャラクターに何がしかの大きな関係性や共通性を見いだしているということは実はないです。片や真っ当に裁くべき人に対して、法を介しての決着点を見据えていく佐方と、“遺留品”から隠されたある一つの真実を追い求める糸村という対比は、一つのことに専念していくという部分に関しては共通項と言えないこともないかもしれないです。ただ、自身の関心事以外は何事にも気にしない糸村と、すべてのことを考慮してひたむきに突き進んでいく佐方とでは、方向性自体は全く違っていると思うんです」

──確かに真実を求めていることは同じでもアプローチの仕方や考え方には相違がありますね! 以前に「遺留捜査」で上川さんを取材させていただいた際には、「糸村は自分の中の勝手口からヒョイと出てくるような男」とおっしゃっていました。そこで、佐方は上川さんの中からどのように出てくるキャラクターなのか教えていただけますか?

「出てき方ですか……佐方には検察に行けば会えます(笑)。佐方は、例えばうかがう家の門構えがどんなに豪奢であっても質素であっても、相手が出てくるまでノックをし続けるようなキャラクターだと思います。出てこないからといって勝手口に回ってみようということはしないで、物怖じせずにノックをし続ける。一方、誰の家の勝手口から出てくるか分からないのが糸村だと思うんです。いつの間にお邪魔していたんだと(笑)」

──なるほど、確かによりストレートな印象が佐方にはありますよね。

「少なくともドラマの中であまりプライベートが流れないという点では糸村と近い男ではありますけど、行動の素地や下地になっているのはやはり『法』。いかに法を遵守し、法に基づいて裁くかというところに終始していると思うんです。そこから逸脱することは今後も一切ないように思いますし、“脇道”や“裏口”を使うようなことはきっとしない男なのではないでしょうか」

──佐方や糸村にはそれぞれの“正義の追求の仕方”があると思うのですが、特に本作での追い求め方で気に入っている部分はありますか?

「周囲にどれだけ反対されているかが分かっているにもかかわらず、『法の上ではこれが正しい』という一点である結論を中盤に出してしまいます。それこそが“佐方らしさ”なのだと思います。日和見的な結論で譲歩するなど、手はいくらでもあると思うんです。それを選ばないのが佐方でしょうし、先ほど愚直という言葉も出ましたけど、“法に愚直である”というところがいとおしいと思っています」

──では、最後にメッセージをお願いいたします!

「佐方貞人のシリーズも第4作目となりますが、これまでと全く遜色のない1本です。その上でひねりの利いたテイストをお楽しみいただけるような、一味違った法曹ドラマをご覧いただけると思います。愚直なまでに検事である佐方をご堪能ください」

──ありがとうございました!

【プロフィール】


上川隆也(かみかわ たかや)
1965年5月7日生まれ。東京都出身。89年に演劇集団キャラメルボックスに入団し、活動を始める。テレビドラマや舞台、映画などに多数出演するほか、アニメ「ルパン三世 PART5」など声優としても活動。「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)や、「櫻井さんの足元には死体が埋まっている」(フジテレビ系)、「執事 西園寺の名推理」シリーズ(テレビ東京系)などに出演している。

【番組情報】


ドラマスペシャル「検事・佐方 ~裁きを望む~」
テレビ朝日系
12月26日 午後9:00~11:05

テレビ朝日担当 I・S