【おんなの目】 ありがとうございました

 今年も残り少なくなりました。元号も平成から令和へと替わり、なにかと話題の多い亥年でしたね。

 先日、シャンパンを友人が持ってきてくれました。私へのクリスマスプレゼント。赤と金色のリボンが結んでありました。ありがとう。

 久しぶりのシャンパンでしたから、開け方がわからずネットで検索して調べました。お蔭で栓もスムーズに抜け上手く開きました。今まで使うこともなかった足の長いシャンパングラスを戸棚の奥から持ち出し、蜂蜜色のそれを注ぎ、部屋のカーテンを少し開き、夜空の星を眺めながら、独り甘い花の匂いが馥郁と香るグラスを傾けました。こんな詩を呟きながら。

 シャンパンの泡  堀口大學

それはシャンパンの泡ですね/奥さんあなたの口紅が/私の脣を紅くした/その場かぎりの恋ですね//それはシャンパンの泡ですね

 シャンパンの泡はほんに小さくグラスの縁に寄り添っています。一瞬のすぐに消えてしまう恋ともいえない恋。赤い口紅に透き通るような奥様の肌。好奇心旺盛な若い男の眼差し。近頃私は口紅もつけないなあ。反省しつつ数杯飲み干しました。

 今年一年、私の拙い『おんなの目』をお読みいただき、ありがとうございました。お礼申し上げます。

 佳いお年をお迎えくださいませ。

© 株式会社サンデー山口