「クロップ監督の哲学を表す13の言葉」が面白い

現在リヴァプールの監督を務めているユルゲン・クロップ氏。先日は日本代表MF南野拓実を獲得して大きな話題になった。

今回は『Planet Football』から「ユルゲン・クロップの哲学を表す13の言及」をご紹介しよう。

「ヘヴィーメタル・フットボール」

ユルゲン・クロップ 「ヴェンゲルはボールを持って、パスをして、サッカーをするのが好きだ。それはオーケストラのようなものだが、静かな歌だ。

私はそれよりヘヴィーメタルが好きだ。いつも大声を出したいよ」

「組織化されていないように見える組織」

カーティス・デイヴィス(元ハル・シティDF) 「彼らはヘンダーソンと二人のセンターバックが近い位置でプレーをして、他の選手はどこにでも顔を出せる。

これは組織化されていないということじゃない。組織化されているからこそだ。それがすべての問題を引き起こしてくる。ポジションチェンジがあり、良いサッカーができ、そしてボールが回る」

「戦術は30%、あとは…」

ペピン・リンデルス(アシスタントコーチ) 「ユルゲンは家族を作るのだ。我々はいつも言っている。『戦術は30%。70%はチームビルディングだ』と。

20年前、PSVは6~7人の選手が7年間所属していた。2名の外国人もね。最高のコーチが来たら、彼らは勝った。しかし今、その6~7人の選手がいない。6年も同じクラブにいる選手がね。

したがって現代のサッカーでは、監督が最も重要な人物になる。すべての文化をもたらし、すべてのアイデンティティをまとめなければいけない」

「クロップ・ワールウインド」

2016年のEL、リヴァプールが1-3から4-3と逆転してドルトムントを撃破した。その際に『balls』でウリ・ヘセ氏はこう話した。

ウリ・ヘセ(ドイツの有名ライター) 「ジョゼップ・グアルディオラやルイス・ファン・ハールの系譜を次ぐトーマス・トゥヘルのような監督がいる。

彼らモダンサッカーの指揮者にとって重要なのは常に支配力であり、『いつもコントロールしなければならない、したがってボールを持たなければならない』である。

一方クロップのような男が好きなのはコントロール外のことで、それは情熱や感情だ。それは渇望からやってくるものであり、それがあるときにクロップのチームは最高潮を迎える。

頑張って、タックルをすることで、もはや戦術どころではない状況を作り出す。ドルトムントはこの『クロップ・ワールウィンド』に敗れたのだ」

「快適すぎれば…」

ユルゲン・クロップ 「五つ星ホテルで目覚めたばかりの時、心を動かすのは簡単ではない。快適すぎれば落ち着いてしまうものだ。

魂は重要なもので、誰もがそれを宿すことができる。我々は電気もないスウェーデンの湖にチームを連れて行ったことがある。5日間、食べ物無しで過ごすようなね」

「スキルの差は凌駕できる」

選手の運動量が求められるプレーをするため、怪我人が多くなっているという批判もあった。しかしメディカルチーフのアンディ・マッシーは『Liverpool Echo』にこう話した。

アンディ・マッシー 「ユルゲン・クロップの哲学は、他のすべてのチームよりも多く走り、速く走らなければならないということだ。それができれば、スキルの差を凌駕できるからだ。

だから、我々はそれが可能なように選手を配置しなければならない。ユルゲンがここに来たときには、選手はその要求に応えられるフィジカルレベルがなかった。

あるときには13回のハムストリング負傷があったが、2回のプレシーズンキャンプを経て、選手はより守られているように見えるだろう?」

「バルセロナのプレーは見せないが…」

ユルゲン・クロップ 「選手たちには頻繁にバルセロナを見せている。プレーではないよ。ゴールを祝う方法をだ。

彼らは先日5768回目のゴールを決めたが、彼らは毎回まるで初めての得点のように喜ぶ。

サッカーの中で私が好きな部分だ。いつも感じなければならないことだ。死ぬまでね」

「選手が疑いを持たないことが重要だ」

かつてドイツ代表MFとして活躍したトーマス・ヒツルスペルガーは、『balls』で以下のように話した。

トーマス・ヒツルスペルガー 「ゲーゲンプレッシングが機能するためには、選手がそれに疑いを持たないことが重要だ。完全にそれを受け入れなければならない。

クロップはドルトムントでそれを達成したのだ。サッカーと同じぐらい強烈な、選手との絆を育むことで。

香川真司がマンチェスター・ユナイテッドに去った時、彼はクロップの腕の中で20分涙を流した。

彼が持つリーダーシップに由来するものだ。単に『適切なタイミングで適切なアドバイスをする』ことで」

「怒らなければならない」

マンチェスター・シティ戦の4日後にボーンマスとの試合を迎えたリヴァプール。3-0で勝利した後、マネはこう語ったそう。

サディオ・マネ 「試合前にクロップは言った。我々はクオリティを見せなければならない、そして怒らなければならないと。なぜならこの試合は重要だからだとね。

シティ戦を終えたあと、誰もがもっと集中しなければならない。彼はいつものように我々をやる気にさせようとした。

最終的には誰もがあらゆるボールに勝つために、適切なタイミングで適切な場所にいた。上手くプレーし、多くのチャンスを作り、3ゴールを決めた」

「80%のポゼッション率で勝つのは好きではない」

ユルゲン・クロップ 「バルセロナのサッカースタイルは私のスポーツではないね。80%のポゼッション率で勝つのは好きではない。

申し訳ないが、それだけでは十分ではないのだ。静かなサッカーではなく、戦うサッカー。それが好きなのだ。

我々がドイツ語で『イングリッシュ』と呼ぶもの。雨の日、重いピッチで、5-5で、誰もが汚れた顔で家に戻り、数週間はプレーできないような」

クロップの「師匠」

クロップのアシスタントコーチであるクラヴィエッツは、マインツで指導を受けたヴォルフガング・フランク氏の影響をこう語っている。

ペーター・クラヴィエッツ 「マインツの元監督ヴォルフガング・フランクはサッカーのアイデアを持っていた。これはアリゴ・サッキのプレッシングに基づいたドイツ版サッカー革命のようなものだった。

4バックであのようなプレーをすることは新しかった。マインツはそれを初めてやったチームであり、信じられない成功をした。フランクは我々にとって非常に重要な人物だったよ」

試合前日のスケジュールについて

ユルゲン・クロップ 「試合の前夜、選手たちはダブルルームで宿泊するんだ。…何も起こらないことを願っているよ」

「意見がないよりは、意見を変えるほうがマシ」

ポグバの価格を批判していたクロップ氏。しかしその後アリソンをGK世界最高額で獲得して批判を受けたが…。

ユルゲン・クロップ 「最近の問題だ。君が何を言おうと、誰も忘れはしないだろう。一方で真実でもある。2年半前にはこのように世界が変わるとは想像できなかった。

1億ポンドはおかしな金額だった。しかしそれ以来世界は完全に変わり、我々も最も高価なGKらと契約することになった。

周りがどう考えているかは気にしていない。マンチェスター・ユナイテッドも私が言ったことを気にしていない。

瞬間の意見に過ぎない。意見を変えたのか?そうだね。しかし意見を持たないよりは、意見を変えたほうがマシだ。

誰に何を言われても、私はそれで大丈夫だ。欲しい選手がいるのだから」

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