<レスリング>【2019年全日本選手権・特集】健闘選手の声(男子グレコローマン)

(2019年12月19~22日、駒沢体育館/取材=布施鋼治、松本一葉、岡田静穂、松澤勇人)

※太田忍選手は、明日、掲載します。


(赤が竹下、撮影=保高幸子)

 ■男子グレコローマン60㎏級・竹下航生(香川・高松北高=高校生ながら決勝に進出、学生王者に敗れる)「相手は全員自分より年上だったので、プレッシャーはなかった。勝ち負けにこだわらず、すべてを出し切れるような試合を心がけました。経験や体力の差があって、決勝ではうまいこと出し切れなかった。ガンガン行こうと思っていたけど、うまくさばかれた感じがします。

 準優勝という結果はうれしい。来年からは優勝して世界選手権に出たい。将来的にはオリンピックでメダルを取れるような選手になりたい。なので、準優勝で満足しているようでは駄目だと思います。準決勝までの2試合に関していえば、自分の持ち味であるプレッシャーをしっかりかけられていました。そこはよかったと思います」


(撮影=矢吹建夫)

 ■男子グレコローマン67kg・下山田培(警視庁=決勝で宿敵・高橋昭五に3-5で惜敗)「東京オリンピックの最終予選の決勝で勝負できたことを、うれしく思います。(東京オリンピック出場の)チャンスは、わずかだと思うんですけど、もしもの時に備えて、しっかりやっていきたいなって思います。

 最終選考会ということで、警察学校の教官や同期の仲間が応援に駆けつけてくれました。勝って恩返しすることはできず、いいところを見せられなかった。でも、感謝の気持ちを込めて一礼しました」


 ■男子グレコローマン72㎏級・富塚拓也(育英大=決勝で日下尚に敗れ、2年連続準優勝)「育英大に所属しているので、少しでも貢献できたらと思っていました。相手の方が体力が上だった。追い上げてもポイントを取れなかった。そこをどうやっていくか。グランドの展開でひとつ取れるかなと思ったけど、行く前に終わってしまった。今後の課題になってくると思います。

 去年と同じ結果に終わってしまったので、もうひとつ勝つために、もう少し考えながら練習したいと思います。今は指導と選手の活動が半々なので、これからは監督と相談して、どちらかに専念するようにやっていくことになると思います」


(撮影=矢吹建夫)

 ■男子グレコローマン77kg級・井上智裕(FUJIOH=準決勝で屋比久翔平に敗れ、オリンピック連続出場ならず)「1回戦からずっと押されてたいた。(77kg級は)72kg級と比べて、大きく、パワーがある。それが原因で負けた、という面はあります。減量はなかったのでコンディションは良かったと思いますし、そこだけですね。階級やルールが変わったりする中で、4年に1回に合わせられる選手はやっぱり強いと思います。僕はそれに合わせていけなかった。

 自分で決めた階級なので、ずっと72kg級でやってきたことに後悔はないです。今後は、レスリングが好きなので、世界を目指すにしろ、目指さないしろ、会社が続けていいよって言ってくれるなら、もちろん続けます。どの階級でやるかはまだ決めてません。オリンピックへの道はもうここでおしまいなので、ゆっくり考えます」


(撮影=矢吹建夫)

 ■男子グレコローマン77kg級・櫻庭功大(自衛隊=昨年勝った屋比久翔平に決勝で敗れる)「去年2位で、今年は東京オリンピックがかかっているので絶対勝とうと思っていたんですけど、何もできなかった。何してきたんだろう、という思いです。自分にもチャンスはあったと思いますが、ワンチャンスを生かし切れなかった。

 昨日、せっかくすごいトーナメントを勝ち抜いたのに、その勢いを続けられなかったことが悔しいです。(オリンピック予選出場の)チャンスがあれば、それに向かって全力で頑張るだけですし、そのチャンスがなくなれば、4年後に向けてもっともっと強くなって、自分が代表を勝ち取れるように、今よりももっと頑張っていきたいと思います」


 ■男子グレコローマン82kg級・川村洋史(自衛隊=決勝で同門の向井識起に1-2で惜敗)「(相手にパッシブが入り)自分にチャンスが来たけど、グラウンドではポイントは取れないと思って、最後、(攻めに)出るはずだった。相手にうまいことかわされてしまって、自分のレスリングができなかった。

 1試合目は調子が悪かったけど、それからは、自分の前に出るレスリングがしっかり出せていたので、よかったと思います。(今後は)次の階級区分がどうなるか分かりませんが、82kg級で出るなら、絶対に負けないようにしたい。自分が勝つ、という気持ちで、今大会よりもさらに強くなって臨みたい」


(撮影=矢吹建夫)

 ■男子グレコローマン97㎏級・仲里優力(日体大=決勝で大学の先輩・奈良勇太に逆転負け)「悔しいですね。ここまで来たら、勝ちたいという気持ちが強かった。勝とうと思ったけど、点数を取り切るということができていない。誰よりも練習して、6月の全日本選抜選手権でしっかりとリベンジを果たしたい。攻めているけど、最後は場外際で逆に取られている場面がいくつかあった。そこをしっかり修正したい。まだまだ練習が足りない」

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