吉沢亮「ここ数年で見た作品で一番!」敬愛するポン・ジュノ&ソン・ガンホと初対面! 爆笑トークに沸いた『パラサイト 半地下の家族』舞台挨拶

ポン・ジュノ監督(左)吉沢亮(中)ソン・ガンホ(右)

第72回カンヌ映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した、ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演『パラサイト 半地下の家族』が2020年1月10日(金)の日本公開に先駆け、2019年12月27日(金)にTOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田の2館限定で先行公開。これに伴い監督のポン・ジュノと主演のソン・ガンホが13年ぶりに揃って来日し、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて舞台挨拶を行った。

「金持ちの役だと思っていたのに、半地下に連れて行かれた!」

世界中で高評価を獲得し日本公開が待たれていた話題作とあって、超満員の観客に盛大な拍手で迎えられたポン・ジュノ監督とソン・ガンホ。「映画の後半の展開については絶対に話さないでくださいね」とポン・ジュノ監督が観客に念を押すと、ソン・ガンホは「息子役のチェ・ウシクの方が出番は多いですが、本当の主人公は私! 大勢の人に伝えてください!!」と興奮気味に語り、会場の笑いを誘った。

『パラサイト』の設定を発想したきっかけを尋ねられたポン・ジュノは、大学生時代、家庭教師として富裕層の家に足を踏み入れた経験について語り、「初めて彼らの暮らしを目の当たりにして、妙な気分になったのを思い出しつつシナリオを書き進めました」とストーリー創作の過程を明かす。

ちなみに監督は、出演俳優と話しながらシナリオを書き進めていくことが多いのだとか。事実、主演のソン・ガンホに『パラサイト』のイメージが伝えられたのは、今を遡ること4年前。ソン・ガンホは「酔っぱらいが立ちションをすると、窓をつたって下りてくる半地下のイメージを伝えられたことを覚えています」と、感慨深そうに当時を振り返った。とはいえガンホにとって、貧乏な一家の父親役というキャスティングは意外だった様子で、「金持ち役だと思っていたのに、半地下に連れて行かれた。これからは雨が降る映画や階段が出てくる映画には出ない!」とジョーク交じりに語る。

これに対しポン・ジュノ監督は「(今回の撮影で)ソン・ガンホ先輩は、雨に打たれたり、階段を上がったり下がったりと、苦労が多かったですからね。膝への負担が多かったんじゃないでしょうか?」と笑顔で気遣うと、ソン・ガンホは「でも次に監督がくれる予定のシナリオのタイトルは『梅雨時の男』なんですよね……」と苦笑し、再び会場の笑いを誘った。

「ところで自分がイケメンだと気づいたのはいつ頃?(笑)」

吉沢亮(左)ポン・ジュノ監督(右)

ポン・ジュノ監督とソン・ガンホによる軽妙なトークのキャッチボールで大盛り上がりの会場に、サプライズゲストとして登場したのが、人気マンガの実写映画化作品『キングダム』や、NHK連続テレビ小説「なつぞら」への出演で知られる人気俳優・吉沢亮。かねてからポン・ジュノ監督の『母なる証明』(2009年)をベストムービーに挙げるなど、自他ともに認める熱狂的なポン・ジュノファンである吉沢は「ここ数年で見た作品で一番。笑いあり、涙あり、ホラー、サスペンスが完璧に融合していて、圧倒的なエンタメ感でした。しかも格差社会というテーマも根底にある。普段、映画館に行かない人にも観て欲しい作品です」と、『パラサイト』への想いを語った。

吉沢亮

これに対し、ポン・ジュノ監督がユーモアたっぷりに「ところで自分がイケメンだと気づいたのは?(笑)」と問いかけると、ひるむことなく吉沢は「5年生の頃です」と返答。さらにポン・ジュノ監督は「なぜ4年生まで気付かなかったのでしょうか?」と、綺麗にオチをつけてみせた。

吉沢亮(左)ポン・ジュノ監督(右)

その後、『パラサイト』の結末に関わる鋭い質問で会場を唸らせた吉沢。この部分については「ネタバレをしないで欲しい」という監督の意向を尊重して詳細は伏せるが、「セットは巨大な潜水タンクに作られており、汚水は泥パックで着色されている」ということだけは明かしておこう。是非とも劇場に足を運んで、吉岡の質問がどう鋭かったのかを確認して欲しい。

ポン・ジュノ監督(左)ソン・ガンホ(右)

『パラサイト 半地下の家族』はTOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田にて2019年12月27日(金)~2020年1月9日(木)先行公開、2020年1月10日(金)より公開

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