年末年始も使用可能 マイルとはひと味違うJAL、ANAのポイント活用法

令和最初の年末年始。曜日配列に恵まれ、最長で9連休となるため、旅行を計画中の方も多いのではないでしょうか。

ただ、年末年始は帰省ラッシュで混雑するシーズン。曜日配列が良すぎるゆえに、国内も海外も旅行代金が割高になりがちなことにお悩みのいらっしゃると思います。航空券の予約サイトで表示される最安値は、閑散期のもの。ピーク期との値段の差に目玉が飛び出しそうになった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。


使い勝手のよい航空会社の「ポイント」

お得な旅行のテクニックを検索しても、ピーク期には使用不可のものばかり。航空会社によってはマイレージの特典航空券もピーク期は使えません(ブラックアウト期間)。除外日から数日ずらして予約しようとしても、同じ考えの人が多く、争奪戦は熾烈。事前に準備していなければ空席ゲットはほとんど不可能といっていい状況です。

特典航空券が使えないときの強い味方が、e JALポイントとANAスカイコインです。特典航空券と交換できるマイルとの違いは、1ポイント=1円換算で航空券の支払いなどに使用可能な点です。マイルからポイント類に交換する場合、1マイル=1ポイント=1円の換算となるため、王道の特典航空券と比較すると一見、かなり損なようにも思えます(表)。ですが、お金と同等に使えるのでブラックアウト期間も関係ありませんし、特典航空券のように予約可能な座席数の制限もありません。

例:JAL 東京―大阪(片道)
・マイレージ特典航空券 6,000マイル
・普通運賃 28,100円
・株主優待割引 14,050円

年末年始などのピーク期に特典航空券を使いたい場合、「陸マイラー」に人気のブリティッシュエアウェイズ(BA)のAVIOSなど外国の航空会社でマイルを貯めるという方法もあるのですが、こちらも特典枠は限られています。ピーク時の座席確保には、かなり早い段階で予約を入れる必要があります。

ポイント類で購入した航空券は、お金で購入した航空券と同じ扱いなので、フライトマイルも積算されます。上級会員を狙っている「マイル修行僧」には利用価値が高いです。また、特典航空券の場合は、マイル+お金という使い方はできず、交換に必要なマイル数を用意しておく必要がありますが、ポイント類で支払う場合は足りない分をお金で払うことが可能。5,000マイルからポイントに換えることができるので、有効期限が切れそうなマイルの処理方法としても有用性があります。

株主優待券と併用

ピーク期にポイント類が最も力を発揮するのが、国内線の航空券が普通運賃の半額で利用できる株主優待券との併用です。株主優待券も利用可能な期間の制限がなく、年末年始やお盆でも使えます(座席数には制限あり)。金券ショップなどでも販売されている株主優待券はJALよりANAの方が安いので、こだわりがない方はANAのスカイコインと組み合わせるとよりお得になるかもしれません。

また、マイルの特典では航空券しかもらえませんが、ポイントの場合はツアー代金の支払いにも使えます。JALはダイナミックパッケージ、ANAは旅作という国内線航空券と宿泊をセットにしたパッケージプランを販売しています。

パッケージの料金は、ホテルや航空券の相場に連動して変わるため、ホテル+航空券だけだと極端にお得になるケースは少ないのですが、これらのツアーにはオプションが充実しているという隠れたメリットがあります。

パッケージプランを活用する

JALの場合、レンタカーが最安で1日500円で利用できたり、JRのフリーきっぷが500円から購入できたりと利用価値の高いオプションがそろっています。日帰り温泉の入浴料やテーマパーク入場料、グルメなどをプランに組み込むことも可能なので、特典航空券を利用するよりもポイントに換えてツアーを利用する方が安上がりになる場面があります。

JALとANAはポイント類とは別に、自社サービスの支払いに使える紙の商品券も発行しています。両社とも旅行資金の積み立てサービスを提供していて、満期時に年3%ほどのサービス額が上乗せされた商品券を受け取ることができます。

紙の商品券はWEBでの支払いに使えないので利便性ではポイント類に劣ります。ですが、それを逆手に取ったテクニックが存在します。JALは予約センターなどWEB以外の方法で国際線の航空券を発券すると、航空券1冊につき5,500円の発券手数料を徴収しているのですが、WEBで使えない商品券を1枚(最低額面は1,000円)でも使用する場合はそれが免除されます。

この規定のおかげで、JAL商品券はインターネットオークションで額面と同額かそれ以上で落札されることがあります。旅行に興味がなくても、積み立てを高利率の“預金”として活用するという方法も考えられますね。

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