際立つ巨人原監督の手腕、在任7年で4度優勝… 10年代セ最強チ―ムは?

巨人・原辰徳監督【写真:Getty Images】

中日落合監督は10、11年に連覇して退任、広島緒方監督は16年から3連覇

 2019年も残り僅かとなり、2010年代のプロ野球を改めて振り返る。

 セ・リーグの10年間の勝敗は以下の通りだ。

巨人 1435試合 764勝 622敗 49分 勝率.551
広島 1435試合 720勝 674敗  41分 勝率.516
阪神 1435試合 692勝 698敗 45分 勝率.498 
中日 1435試合 670勝 713敗 52分 勝率.484
ヤクルト 1435試合 646勝 743敗 46分 勝率.465
DeNA 1435試合 614勝 779敗 42分 勝率.441

 巨人の圧勝だった。10年トータルの勝敗では2位広島に「」48ゲーム」の大差をつけての1位だった。

 年度別優勝回数も巨人が4度で1位、広島3度、中日2度、ヤクルト1度と続く。阪神とDeNAは優勝がなかった。

 各球団ごとにこの10年間の動きを振り返ってみよう。

【巨人】
 2006年に始まった第2次原辰徳政権は10年、11年と連続3位。しかしFA宣言した村田、杉内らを獲得した12年に勝率.667(86勝43敗15分)で圧勝すると、14年まで3連覇を果たした。2位だった15年を最後に原監督が辞任。16年から高橋由伸監督が指揮を執るも2→4→3位に終わり、今季第3次原政権へ。FA補強した丸の活躍などもあり77勝64敗2分けで見事5年ぶりリーグ制覇を果たした。

【広島】
 野村謙二郎氏が10年に監督就任。5→5→4→3→3位と徐々に順位を上げた。15年に緒方孝市監督が就任。初年度は4位に終わるも、16年から球団史上初の3連覇を達成した。野手では田中、菊池、丸らが躍動し、鈴木が台頭。投手もジョンソン、大瀬良、野村らが奮闘した。4連覇を目指した今季は丸の巨人移籍なども響き4位に。来季から佐々岡真司氏が指揮を執る。

【阪神】
 この10年間、1度も優勝がなかった。惜しかったのが真弓監督就任2年目の10年。新加入の城島、マートンをはじめ新井、ブラゼルらが打ちまくり、チーム打率は.290。しかし中日に1ゲーム差の2位に終わった。その後も和田豊監督時の13、14年に連続2位。14年にはCSを突破して日本シリーズに進出した。金本監督2年目の17年は、この10年で最高勝率(.561)を記録するも2位だった。2位が4度、矢野監督1年目の今季を含めて3位が2度あった。

【中日】
 2004年に就任した落合博満監督が、集大成ともいえる連覇を10、11年に飾った。先発に吉見、チェン、救援に岩瀬、浅尾らを擁して投手力を武器に両年とも混戦を制した。ところが、高木監督1年目の12年は2位も、翌13年から“暗黒時代”に突入する。今季まで4→4→5→6→5→5→5位と7年連続Bクラスに甘んじている。ただ与田監督1年目の今季は、この7年ではもっと高い勝率(.482)だった。

【ヤクルト】
 優勝もあったが、最下位も4度。浮き沈みの激しい10年間だった。10年途中に成績不振で休養した高田繁監督に代わって監督代行を務め、V字回復を果たした小川淳司氏が翌11年に監督就任。優勝は逃すも中日と優勝争いを演じた。そして真中満監督1年目の15年に2001年以来のリーグ制覇。山田哲、畠山、川端が打撃タイトルを獲得した。小川氏が監督に復帰した昨年は前年最下位から2位に躍進も今季は再び最下位。来季から高津臣吾氏が指揮を執る。

【DeNA】
 2008、09年に最下位だったチームは尾花高夫氏を監督に招聘したが10、11年も最下位に沈んだ。翌12年に親会社がDeNAとなり中畑清氏が監督就任。6→5→5→6位に終わるも、在任最終年の15年は序盤で首位に立った。そして、ラミレス監督が就任した16年に11年ぶりのAクラスとなる3位、翌17年には3位からCSを勝ち上がり、日本シリーズに進出した。昨年の4位を経て今季はDeNAになって最高位の2位に躍進。この10年間のトータルでは“最下位”に終わるも上昇気流を描いている。

 優勝を果たした指揮官は巨人原監督(4度)、広島緒方監督(3度)中日落合監督(2度)、ヤクルト真中監督(1度)だった。広島が佐々岡監督、ヤクルトが高津監督に代わっ2020年セ・リーグは果たしてどんな結果になるだろうか。(Full-Count編集部)

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