不二家歌謡ベストテン、ロイ・ジェームスとユーミンと日曜日の朝 1980年 12月1日 松任谷由実のアルバム「SURF&SNOW」がリリースされた日

ニッポン放送「不二家歌謡ベストテン」パーソナリティはロイ・ジェームス

中学時代はラジオのエアチェックに余念がなかった。当時は AM も FM も土日にヒットチャート番組が多かったが、日曜日の朝といえばニッポン放送の『不二家歌謡ベストテン』だった。これがなくては日曜日が始まらなかった。

布団の中でグズグズと休日感を噛み締めるうちに、パーソナリティ、ロイ・ジェームスの「不二家、歌謡ベストテーン」の一言が、高らかに番組の始まりを告げる。ミュージカル調の曲が鳴り響き「日曜日の朝、いかがお過ごしですか」といった時候の挨拶的な決め台詞が流れ、ベストテン形式で曲が紹介されていく。これぞ、ザ・ラジオだよなあ。少なくとも私の中ではそうである。

当時は田原俊彦、松田聖子などの全盛期。もちろんチャートにも夢中だったが、途中に挟まれた「ピックアップコーナー」は忘れられない。『ザ・ベストテン』でいえば「今週のスポットライト」的コーナーで、ニューアルバムなどの紹介をしていたように記憶している。私はここで、山下達郎や大瀧詠一を教えてもらった。松任谷由実の新作告知も聞いた。

ソフトエクレアのCMソング、ユーミンの「まぶしい草野球」

タイトルどおり番組は不二家の一社提供。その不二家の主力商品、ソフトエクレアのCMソングがユーミンの曲だった。だから、番組中では必ず「まぶしい草野球」が流れた。商品と曲の融和性ったら最高である。これから始まる日曜の楽しさを予感させる爽やかで甘いメロディー。目を閉じれば情景が浮かんでくるような歌世界が可愛くて胸がときめいた。どこか70年代少女漫画を彷彿させたような気もする。最強のソフトエクレアナンバー!

調べてみたら、不二家「ソフトエクレア」のCMは松任谷由実(一部 荒井由実)がずっと手がけていたらしい。発売当時の1974年より「やさしさに包まれたなら」。続いて1976年よりオリジナル曲「ほっぺたにプレゼント」。そして1980年に「まぶしい草野球」が使われ、一躍有名になったそうだ。

未だにカラオケで「まぶしい草野球」を歌う時は、最後に「♪ ソフ~ト~エクレア~」と追加してしまう私である。

※2016年3月29日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 親王塚 リカ

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