日本の10代の「現在地」とは? 『18歳意識調査』を読み解く(NO YOUTH NO JAPAN)

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私たちNO YOUTH NO JAPANは、U30世代の投票率UPを目指して、7月の参院選でInstagramを中心にU30世代に投票に行くことを呼びかけたことをきっかけに始めた団体です。
この記事では、公益財団法人 日本財団が行った『18歳意識調査』という大規模調査の結果について取り上げます。

1.『18歳意識調査』とは?

18歳意識調査は、日本財団が17-19歳の若者を対象に継続的に行っているインターネットアンケート調査です。
2015年の公職選挙法改正により選挙権年齢が、そして民法改正により2022年4月からは成人年齢も、それぞれ18歳に引き下げられる事が決まっています。そこで日本財団は、毎回一つずつのテーマを決めてアンケートを行い、これからの社会を担う18歳の若者が何を考え、何を思っているのかを調査することで、新しい社会づくりに役立てたり、社会課題に対する取り組みにも反映させたりしようとしています。
これまでに私たちがInstagramなどで扱ってきた「国政選挙」や、「環境」「大学入試」などについても、過去に様々な調査を行っているので、興味のある方は下のリンクから日本財団のウェブサイトを参照してください。
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/eighteen_survey

今回の記事では、今年9月から10月にかけて行われた第20回調査の結果を取り上げます。この回では日本を含む9か国で「国や社会に対する意識」をテーマに同時調査が行われ、社会課題に対する若者の向き合い方の特徴が各国ごとに浮き彫りになりました。他の国と比較したデータをもとに日本についての考察と分析を進めていきます。

2.若者たちの現在地を知る。

早速データを読み解いていきましょう。ですが、残念ながらネガティブな数字がとても多い結果となっています。

(「18歳意識 調査『第20回社会や国に対する意識調査』要約版 p.5より)

このデータは、それぞれの社会に住む『あなた』に関する意識について。
上の画像で取り上げられた6項目について、日本の若者は全て最下位。『自分で国や社会を変えられると思う』という質問に「はい」と答えた若者がわずか18.3%であるのをはじめとして、どの指標も絶対的に低いです。日本人の5人中2人が将来の夢を持てない社会になっており、半分以上の人が自らを『責任ある社会の一員』だと思えていません。
「わたしたちの生きたい社会をつくろう」という、私たちが目指す社会のあり方を実現するには、あまりに厳しい現実を乗り越えなければいけないと強く認識させられました。

(「18歳意識 調査『第20回社会や国に対する意識調査』要約版」 p.9より)

また、『自分の国の将来について』に関する質問については、『よくなる』と答えた割合が9か国中最も低かった上に、『悪くなる』と答えた割合の高さは、BREXITで揺れるイギリスに次ぐワースト2となりました。更に『どうなるか分からない』と先のことを不透明だと考えてる人も最も多く、先行き不透明な日本の将来に希望が持てないという今の若者たちの考えが浮き彫りになっています。選挙権はあっても、それを使って社会を変えることを”自分ごと”だとは思えない人が多いことが伺えます。

3.日本の若者を語るキーワードとは?

先に見てきたとおり、ネガティブな数字がずらりと並んでいるこのデータですが、本当に問題点だらけなのでしょうか?
データを更に深く分析する中で、日本の若者の特徴として見えてきたことを、3つのキーワードから考察してみようと思います。

① キーワードは「平和」

 

解決したい社会課題がある日本人の若者について更にその傾向を見ていくと、国内では他分野に比べて高い順位にある”貧困をなくす”や”社会的弱者に対する差別をなくす”が、海外各国と比較すると特徴的に高いわけではない事が分かります。その一方で、”国際紛争をなくす”という選択肢の割合は、日本国内での分野別比較では全体6位ながら、国ごとでの比較では9か国中1位でした。
また、『自分の国が将来どのような国になって欲しいか』という質問に”平和な国”と答えた人も、やはり9か国の中で1位。日本人全体として国内・海外問わず『平和』を大切にする傾向が国際社会でも特に強い事がうかがえます。

② グローバルな意識

①でも書いたように、日本人にとりわけ関心が高い傾向がみられたのが”国際紛争をなくす”という選択肢。この”国際”という言葉もまた日本人のキーワードであり、『どのようにして国の役に立ちたいか』という質問でも、”国際交流に取り組む”と回答した人の割合は、他の国と比べても高い数値が出ています。
反面、この質問に”役に立ちたいとは思わない”と答えた人は9か国中最高の14.2%。よくも悪くも日本人には、国という枠組みを超えた活動をしたいという人が多く、海外の動向にも目を向けたり、交流を深めたいと思っている人が多い特徴があるようです。

③ 問題意識はあるが、何をしたらいいかわからない

『どのようにして国の役に立ちたいか』という質問に対し、『選挙を通し政治に参加する』と答えた人の割合は、国内比較では上から4番目と案外高い数字となりました。参院選の時に私たちが訴えた言葉でもありますが、『投票は最も簡単な政治参加』であり、そう答えた人が少なくないのは喜ばしい事だと思っています。

(2019年7月の参議院選挙でNYNJがInstagram上で行なった投票への呼びかけポスト)

しかしながら、7月の参院選での10代の投票率は31.33%でした。3人に1人も投票していないこの現実を、決して満足して受け止める事はできません。
一方、この質問に対して②と同様にして一人当たりの選択肢選択数を計算してみたところ、『解決したい社会課題』の有無に関わらず、『どのようにして国の役に立ちたいか』という具体的な方法の選択数については他国に比べて低い傾向にあるようです。『具体的にはないが何らかの分野で役に立ちたい』と思っている人も韓国に次いで全体の2番目にあるように、問題意識を持っている人でも、具体的に何をすれば良いか分からなかったり、選挙以外にイメージできなかったりという人が多いのだろうと考えられます。

4.2019→2020私が望むコト

日本社会は確かに問題点が多いかもしれない。けれど、私たちが生きている社会を、その一言だけで終わらせることはできません。
課題が多い今だからこそ、社会に向けた希望を語り共有することから始めていきませんか。

NO YOUTH NO JAPANではこの年末、『2019→2020私が望むコト』と題し、Instagramストーリーの質問箱で2020年の政治や社会に望むことなどを募集します。
政治や社会という概念が大きすぎるなら、まずはあなたの身の周りで変わって欲しいことでもOK。変えるためにどんな行動をするかなど、より具体的なプランも大歓迎です!
近いうちにお知らせを流すので、NO YOUTH NO JAPANのInstagramもチェックしてみてくださいね!

私たちは問題が多く閉塞感が強いからと言って、そんな社会を見捨てたくはありません。けれど今までのように一部の人が頑張ったところで意味はない。だからこそ、読者のあなたの力を、そしてその周りの皆の力を借りたいです。質問箱への投稿はもちろん、あなたの周りの友人にも呼びかけをしてくれると嬉しいです。

【引用】
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/11/whaproeig_97.pdf
(参考→https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/11/whaproeig_98.pdf:日本について詳しく)

【調査元】
日本財団『18歳意識調査』調べ(日本財団公式ウェブサイト

NO YOUTH NO JAPANでは今後も、政治参加をカルチャーにしていくために様々な活動を続けていきます。私たちの活動に加わりたい方、私たちとともに活動してくださる地方自治体・団体・企業の方はぜひご連絡ください!

連絡先
email: noyouth.nojapan(a)gmail.com ((a)を@に)
Instagram: noyouth_nojapan
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