シーズン60発バレンティンに日韓386S林昌勇…ヤクルトの2010年代を牽引した助っ人たち

2011年から9シーズンヤクルトに在籍したウラディミール・バレンティン【写真:荒川祐史】

韓国代表の林昌勇、プエルトリコ代表のロマンら各国代表も輩出

 2019年シーズンのプロ野球が幕を閉じ、2010年代は今年で一区切りとなった。ここでは10年間で活躍したヤクルトの主な助っ人外国人選手を見ていこう。

○林昌勇投手
 2008年に韓国プロ野球(KBO)サムスンから加入。守護神として活躍し、2010年には自己最多の35セーブ、防御率1.46と圧巻の投球を見せた。5年間の在籍で128セーブをマークしたが、2012年のトミー・ジョン手術を受けてこの年限りで退団。2013年はメジャー挑戦し、カブスで6試合に登板した。2014年からはサムスンに復帰し、2016年にはKIAに移籍。今年3月に現役引退を表明し、7月にはヤクルトの球団設立50周年を記念したOB戦に登板した。

○トニー・バーネット投手
 2010年にダイヤモンドバックス傘下から加入。1年目は先発として起用され4勝5敗、防御率5.99と結果を残せなかったが、2年目に救援に配置転換されると才能が開花した。セットアッパーとして22ホールドをマークすると、3年目からは守護神に定着。6年間で最多セーブ2回、97セーブ49ホールド、防御率3.60の成績を残した。2016年にはレンジャースでメジャーデビューすると、53試合で15ホールド、防御率2.09の大活躍。今季は2試合に登板したがマイナー降格となり、現在はFAとなっている。

○ウラディミール・バレンティン外野手
 2011年にレッズ傘下から加入。2011、12年はともに31本塁打で2年連続本塁打王を獲得すると、2013年にはプロ野球記録となる60本塁打。昨季は131打点で打点王に輝くなど、9年間で959安打、288本塁打、763打点をマークしている。今季限りでの退団とソフトバンク加入が決定。また、国内FA権を取得したため、来季からは外国人枠を外れて日本人扱いとなる。

2015年Vに貢献したオンドルセクは翌年に首脳陣批判が発端となり退団

○オーランド・ロマン投手
 2011年に台湾プロ野球(CPBL)兄弟で最多勝と最多奪三振を獲得。2012年に加入すると先発、中継ぎを器用にこなし、4年間で18勝22敗、6セーブ27ホールド、防御率3.00と活躍。2015年には優勝を決めた試合の勝利投手となった。今年11月に行われた「プレミア12」にはプエルトリコ代表として出場し、日本戦でも登板。現在参加しているプエルトリコのウインターリーグではロッテの安田尚憲内野手、岡大海外野手、山本大貴投手と同僚だ。

○ラスティングス・ミレッジ外野手
 ナショナルズ時代の2008年には外野のレギュラーとして打率.268、14本塁打、24盗塁をマークした実績を持つ。2012年に加入すると、1年目はリードオフマンとして打率.300、21本塁打、65打点と大活躍。しかし、2年目の8月に左足首の靭帯を断裂する重症を負ってシーズンエンド。2013、14年も故障離脱が多く、4年で退団となった。2017年には米独立リーグでもプレーした。

○ローガン・オンドルセク投手
 2010年からメジャーで5年連続40試合以上に登板した実績を引っさげて、2015年にレッズから加入。1年目から72試合に登板し、33ホールド、防御率2.05の成績で最優秀中継ぎを獲得も、2年目の2016年には真中満監督ら首脳陣に暴言を吐くなどして自宅謹慎処分に。球団に謝罪して処分は解除されたが、そのまま帰国して退団となった。直後にオリオールズに加入してメジャー復帰を果たし、今季はナショナルズ傘下マイナーでプレーした。

○デビッド・ブキャナン投手
 2014年にフィリーズで新人ながら20先発し、6勝8敗、防御率3.75の成績を残した実績を持つ。2017年に加入すると、1年目から25先発し6勝13敗、防御率3.66の成績で、チーム唯一の規定投球回に到達。昨季は開幕投手も務めて28試合で10勝11敗、防御率4.03だったが、今季は故障に影響で4勝止まり。8月には3勝を挙げて月間MVPと巻き返したが、オフの保留者名簿から外れて自由契約となった。

 2010年代は2011年に加入したバレンティンの活躍が光る10年間となった。また、韓国代表の林昌勇、ジェフン、プエルトリコ代表のロマン、カナダ代表のラルー、オーストラリア代表のデニング、ドミニカ代表のペレス、ベネズエラ代表のリベロと各国の代表で国際大会に出場している助っ人が多いのも特徴だ。

 来季に向けてはマクガフ、スアレスが残留。2015年リーグ優勝決定シリーズMVPの大物助っ人アルシデス・エスコバー内野手を獲得した。さらにメジャーでの先発経験の多いイノーアとクックとの契約にも成功。バレンティンの穴を埋められるのかどうかに注目だ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2