ブランコ、ルナ、ビシエド…中日の2010年代助っ人はタイトルホルダー揃い

中日のダヤン・ビシエド【写真:荒川祐史】

バルデス、ビシエド、ゲレーロ、マルティネスらキューバ出身者が活躍した

 2019年シーズンのプロ野球が幕を閉じ、2010年代は今年で一区切りとなった。ここでは10年間で活躍した中日の主な助っ人外国人選手を見ていこう。

○チェン・ウェイン投手

 2004年に台湾の国立体育大学から加入。2007年には育成契約も経験したが、2009年に防御率1.54で最優秀防御率に輝いてブレークした。2010年は自己最多の13勝、2011年は8勝でセ・リーグ連覇に貢献。2012年にメジャー挑戦し、オリオールズでは4年間で46勝と活躍した。2016年には5年総額8000万ドル(約87億6000万円)の大型契約でマーリンズに移籍したが、4年間で13勝、防御率5.10と結果を残せず、今オフに戦力外となった。

○トニ・ブランコ内野手

 2009年にロッキーズ傘下から加入。1年目から39本塁打、110打点で2冠に輝くと、2010年も打率.264、32本塁打、86打点でリーグ優勝に貢献。4年間で111本塁打と活躍した。2013年にはDeNAに移籍して自己最多の41本塁打、2015年からはオリックスで2年間プレーした。

○エクトル・ルナ内野手

 2013年にパイレーツ傘下から加入。1年目は7月6日に左膝を痛めて残りシーズンを欠場したが、85試合で打率.350、9本塁打、51打点の好成績だった。2年目の2014年は規定打席に到達し、打率.317、チームトップ17本塁打、73打点でベストナインを受賞。2015年は球宴にも出場し、打率.292、8本塁打、60打点の成績を残した。2016年は広島でプレーした。巨漢だったが2015年には11盗塁で失敗ゼロと走力が高かった。

○ラウル・バルデス投手

 1998年にキューバから亡命してメジャー103試合に登板。2015年にブルージェイズ傘下から加入した。2015、16年は規定投球回に届かなかったものの防御率は3点台と安定。2017年は球宴にも出場し、6勝9敗、防御率3.76の成績を残した。今季はメキシカン・リーグのティファナでプレー。11月には42歳を迎えたが今オフのメキシコ・ウインターリーグでは5勝2敗、防御率2.51と好投している。

ビシエドは18年から2年連続でベストナインを受賞した

○ダヤン・ビシエド内野手

 2008年にキューバから亡命してホワイトソックス入り。2010年に21歳でメジャーデビューし、2012年には25本塁打を放った。2016年にホワイトソックス傘下から加入し、1年目は22本塁打。2年目は8月に死球で骨折して87試合で18本塁打に終わったが、昨季は打率.348、26本塁打、99打点、178安打の大活躍で首位打者、最多安打に輝いた。今季もセ・リーグ2位の打率.315をマークし、2年連続のベストナインを受賞。来季の残留も決定している。

○アレックス・ゲレーロ外野手

 2013年にキューバから亡命してドジャース入り。2014年にメジャーデビューし2015年には11本塁打を放ったが、2016年途中にリリースされていた。2017年に中日に加入すると、打率.279、35本塁打、86打点で本塁打王を獲得。2018年に巨人に移籍し、今季は21本塁打を放ったが自由契約となっている。

○ジョエリー・ロドリゲス投手

 昨季途中にオリオールズ傘下から加入し、26試合で9ホールド、防御率2.30の好成績。今季は64試合に登板し、3勝4敗、1セーブ41ホールド、防御率1.64の大活躍で最優秀中継ぎ投手に輝いた。今オフにはレンジャーズと2年総額550万ドル(約6億円)でメジャー契約を結んだ。

 ブランコ、ルナ、ビシエド、ゲレーロ、アルモンテと強打者を次々と発掘した一方で、複数年に渡ってエース級の成績を残した先発投手はチェンが最後となっている。また、バルデス、ビシエド、ゲレーロ、R・マルティネスらキューバ出身者の活躍も光った。

 来季に向けては、ビシエド、アルモンテ、マルティネスが残留。セットアッパーのロドリゲスを失ったが、代わりとしてルイス・ゴンサレス投手を獲得。メジャー207試合の経験を持つモイセ・シエラ外野手との育成契約にも成功した。(Full-Count編集部)

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