“どん底”の中でも活躍したオリ10年代ベストナイン 金子、糸井、李大浩、吉田正ら

2010年代のオリックスを支えた金子千尋(現日本ハム)と吉田正尚【写真:荒川祐史】

金子はタイトル総なめ、平野佳は40セーブを記録

 今季は5年連続のBクラスとなる最下位で終えたオリックス。この10年間は苦しい時期も多かった。2014年の2位以外はすべてBクラスで終え、2度の最下位も経験。しかし、その中でも個々を見ればタイトルホルダーや表彰選手も数多くいた。この10年間のオリックスを支えたベストナインと監督を選出したい。

【投手】
先発 金子千尋(金子弌大)
中継ぎ 佐藤達也
抑え 平野佳寿

 オリックスのエースとして長年チームを引っ張った金子は、2010年には自身最多の17勝(8敗)、2014年には16勝(5敗)を挙げて最多勝に輝いた。特に2014年は最優秀防御率1.98をマークし、沢村賞、最優秀選手、伊藤光との最優秀バッテリー賞やゴールデングラブ賞、ベストナインとタイトルを総なめにした。

 佐藤はプロ入り2年目の2013年には40ホールド、防御率1.73と数字を残し、翌年も42ホールド、防御率1.09と大活躍。2年連続で最優秀中継ぎ投手に選ばれた。平野は2011年には中継ぎとして72試合に登板。43ホールドを挙げて最優秀中継ぎ投手に選ばれた。2012年終盤には抑えに転向し、翌年には62試合を投げてリーグ最多の40セーブを挙げた。

野手ではT-岡田や糸井、吉田正らの長距離砲が選出

【内野手】
捕手 伊藤光
一塁 T-岡田
二塁 後藤光尊
三塁 アーロム・バルディリス
遊撃 安達了一

 伊藤は2014年にはリーグトップのチーム防御率2.89に導いた守備が評価され、金子と共に最優秀バッテリー賞を受賞。ゴールデングラブ賞とベストナインにも選ばれた。打撃でも、13年から15年まで打率.250以上を残し勝負強さを発揮した。

 T-岡田は2010年に自身最多となる33本塁打を放ち、本塁打王に。さらに2017年には初の全試合出場を達成し、31本塁打を放った。また2017、2018年には選手会長となり、チームリーダーとして働いた。後藤は2010年に打率.295、11年も打率.312をマークするなどパンチ力ある打撃とファンタスティックな守備でファンを魅了。14年に楽天にトレード移籍している。

 バルディリスは2010年から4年間オリックスに在籍し、1年目には打率.301、116安打、14本塁打50打点をマーク。2012年には2試合連続サヨナラ本塁打など記憶に残るプレーも。安達は2011年にドラフト1位で入団。2年目の13年から遊撃のレギュラーに定着し、14年には29盗塁をマーク。16年には難病の「潰瘍性大腸炎」を発症したが、病気と闘いながらプレーを続けている。

【外野手】
坂口智隆
吉田正尚
糸井嘉男

 坂口は2000年代に引き続き、2010年代も活躍。2011年には打率.297、リーグトップの175安打をマークした。吉田正はプロ入り2年目の2017年から3年連続で打率3割、プロ入りから4年連続で2桁本塁打を放つなど記録を伸ばし続け、今季はキャリアハイの打率.322、29本塁打を放ちベストナインを獲得。

 糸井は2013年にトレード移籍。2014年には打率.331、166安打、19本塁打81打点で首位打者と最高出塁率を獲得。16年には53盗塁をマークし、史上最年長での盗塁王を獲得。オリックス在籍4年間だったが外野の一角を担った。

【指名打者】
李大浩

 李大浩は2012年にオリックスに入団。1年目から全試合に出場すると、リーグトップの91打点を挙げ、ベストナインにも選出された。また2年目にも打率.303、158安打、24本塁打91打点をマーク。わずか2年の在籍では一塁手としての出場が多かったが、今回はDHでの選出。

【監督】
森脇浩司
 2013年から3年間オリックスを率いた森脇氏は、2014年には80勝62敗2分でチームを2位に導いた。監督通算では406試合、2020勝193敗11分、勝率.511。この年が10年間で唯一のAクラス入りとなった。(Full-Count編集部)

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