わがまち回顧 本社(長崎市) 私道通行を巡り対立 パートナー制度開始

バリケードが設置されていた私道付近。依然、通行する車や人の姿はほとんどない=12月25日、長崎市青山町

◎私道通行を巡り対立

 長崎市青山町の住宅団地を通る私道の通行を巡り、所有する福岡県の業者と住民の対立が全国から注目を集めた。通行料の支払いなどで折り合わず、10月には業者がバリケードで一部を封鎖。住民の仮処分申し立てが認められてバリケードは解かれているが、現状はあくまで暫定措置。1月には住民側が本訴訟を起こす見通しだ。
 私道は約700メートルで業者は昨年11月、隣接する山林とともに取得した。市への寄付は市の基準を満たす整備が必要なためかなわず、住民への買い取りや通行料の請求も双方が折り合わなかった。
 業者は10月に一般車両の通行禁止を通告し、バリケードを設置した。これに対し、住民7人が求めていた妨害禁止の仮処分を長崎地裁が11月に認める決定を出した。業者は早く提訴するよう住民側に求める命令を今月、地裁に申し立てた。地裁が23日に命令を出したことから、住民側は提訴の準備を急いでいる。
 団地が1960年代に開発され、私道はずっと生活道路だった。同様の私道は各地に存在する可能性があり、今回の問題は一地域の騒動とも言い切れない。解決への道筋は引き続き関心を集めそうだ。

◎パートナー制度開始

 長崎市は9月2日、性的少数者(LGBT)のカップルを公的にパートナーとして認める「パートナーシップ宣誓制度」を開始。初日は1組が宣誓した。
 宣誓条件は▽成年(20歳以上)▽2人とも市内在住▽2人とも市内に転居予定▽1人が市内在住で、パートナーが市内に転居予定-など。法律上の婚姻ではなく、税制面などへの効力はないが、市立病院の入院や手術時の親族同意書にパートナーがサインできたり、家族向けの市営住宅にカップルで入居できたりする。市によると、27日現在で4組が宣誓している。
 10月に福岡市と熊本市がパートナーシップ宣誓制度の相互利用をスタート。両市間で転居しても宣誓書受領証の継続を申請すれば、転入先で再度宣誓する必要がなくなる。長崎市も制度の都市連携を検討中だ。
 LGBT総合研究所(東京)が今年4~5月に実施したインターネット上のアンケート調査(全国の20~69歳対象)によると、好きになる相手の性別「性的指向」や自分の認識する性別「性自認」などに関する質問について、回答者(約34万8千人)の約10%が性的少数者に該当したとしている。

 ■主なニュース

 ▼2018年の日本人の人口移動報告で転出超過数が全国ワースト▼市制施行130周年▼市長選で田上富久氏が4選▼被爆者健康手帳交付を巡る二つの訴訟で長崎地裁が原告の証言の信ぴょう性を重視して手帳交付と認める判決▼出島メッセ長崎や新市庁舎が着工▼ラグビーW杯のスコットランドチームがキャンプ▼ローマ教皇フランシスコ来崎

宣誓書に記入するカップル=9月2日、長崎市魚の町の市人権男女共同参画室

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