19年の県内、公務員の不祥事相次ぐ

飲酒運転、盗撮など20件超

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 飲酒運転や盗撮、万引など県内で今年、公務員による不祥事が相次いだ。公務員の多くは真面目に業務に当たっているが、ひとたび不祥事が起きれば、組織のイメージは崩れ、信頼も失墜する。個人の資質や個別事情を背景とするケースもあるが、専門家からは「組織としての危機意識が低い」と指摘する声も上がる。

 山形新聞の取材では、今年明らかになった自治体職員や教員、消防士、自衛官、警察官による犯罪や非違行為は、主なものでも20件以上を数え、毎月のように紙面でも掲載された。内訳は飲酒運転10件、住居侵入・盗撮などわいせつ行為5件、窃盗2件、子供への虐待2件、脅迫1件など。山形市職員や大石田町の前副町長による汚職事件に加え、県警の警視による万引や教諭による学校内での生徒盗撮など、衝撃的な事件や不祥事もあった。

 高い規範意識が求められる公務員がなぜ不祥事を起こしてしまうのか。行政学が専門で16年間の県職員としてのキャリアもある東北公益文科大の小野英一准教授(41)は「公務員は特有の窮屈さを抱えている」と指摘する。上司や担当者間での調整、説明に追われ組織内でエネルギーを使うことが多い。民間企業でもこうした状況は変わらない部分もあるが、公務員に対する世間の目は厳しい。「仕事から解放された時に魔が差し、気が緩んだ状況に陥ってしまう可能性がある」と話す。

 一方、企業や公務員の倫理に詳しく、同大でも教壇に立った近畿大の中谷常二教授(51)は、本県の事情を踏まえた上で「山形県内の公務員の中には特権意識が強く、『この程度なら大丈夫だろう』という過信につながっているケースもあるのではないか」との見方を示す。

 再発防止に向けて小野准教授は「公務員も間違いを犯すとの前提に立ち、防ぐ仕組みをつくるしかない」と指摘する。長時間の飲酒が不祥事につながるとして「2次会禁止」を通達している国の機関もあるという。中谷教授も「不祥事が起きた場合、個人の資質のせいにせず、組織として危機感を共有すべきだ」としている。

【2019年の公務員による主な不祥事】  1月  ・上山市健康推進課の男性職員(29) 住居侵入容疑で逮捕。懲戒免職

 2月  ・真室川町地域おこし協力隊員非常勤職員の男性(39) 飲酒運転で逮捕。停職6カ月相当の処分

 4月  ・天童市上下水道課の男性技師(29) 飲酒運転で摘発。その後、懲戒免職 ・最上町建設課の男性主任(29) 飲酒運転で摘発。その後、懲戒免職

 5月  ・最上広域市町村圏事務組合消防本部の男性係長(39) 盗撮未遂容疑で逮捕。その後、停職1年 ・陸上自衛隊神町駐屯地の男性3等陸曹(24) 飲酒運転で摘発。その後、停職3カ月

 6月  ・米沢市立病院事務局の男性主任(42) 娘を殴り傷害容疑などで逮捕。その後、不起訴で減給10分の1

 8月  ・山形市内の国家公務員の男性(36) 娘を殴り傷害容疑で逮捕。罰金20万円 ・東根市消防本部の男性副士長(23) 飲酒運転で摘発。停職3カ月

 11月  ・置賜広域行政事務組合南陽クリーンセンター男性所長補佐(58) 暴力団関係者名乗り脅迫容疑で逮捕。その後、罰金10万円。停職1カ月 ・県立高校50代男性教諭 生徒のスカート内盗撮で懲戒免職 ・元川西町犬川小教頭の男性町臨時職員(60) 建造物侵入容疑で逮捕

 12月  ・山形署交通官の男性警視(49) 万引し窃盗容疑で逮捕。停職1カ月の懲戒処分。辞職 ・鶴岡市農業委員会事務局の男性主任(61) 飲酒運転で逮捕。懲戒免職 (肩書と年齢は当時)