ラツィオのインザーギ監督がユーベ指揮官に相応しい理由

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サッカーは数字だけでは理解できないスポーツです。しかし、12月8日(日本時間)にセリエAリーグ戦でラツィオが今シーズン初めて王者ユベントスに挑んだ時、今回こそ勝利できるのではないかと予測した人は多いでしょう。結果的に3-1でラツィオが勝利しました。

ラツィオはリーグ戦6連勝と、それまでの勢いが物凄かった。逆にユーベはこの試合でビアンコチェレスティー(ラツィオのこと)に黒星つけられる前は負けなしだったが、良いパフォーマンスがずっと続いていたとは言えなかった。

さらにこのリーグ戦だけではなく、ユーベがラツィオに敗れる試合が続く。12月23日にサウジアラビアで行われたスーペルコッパ・イタリアーナ(セリエAの前シーズン覇者とコッパ・イタリア覇者が争う試合)でも、コッパ・イタリア覇者のラツィオが圧倒的な勝利(3-1)となった。また、この数年シモーネ・インザーギ監督がラツィオの指揮官になってから、勝利とはならなくてもラツィオはユーベを何度も困らせている。

そのラツィオのインザーギ監督は、今年の5月にマウリツィオ・サッリ監督がユーベの指揮官に決まる前、マッシミリアーノ・アッレグリ前監督の後継者候補の1人としてピックアップされていたことは覚えていますか?その時は3番目の候補(ペップ・グアルディオラ監督の名前も候補に上がっていた)に過ぎなかったと思う人も多いだろうが、インザーキ監督にはそれ以上にユーベの監督になるに相応しい理由があると私は思う。

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ユーベのフロント陣との長い信頼関係

ユーベのスポーツディレクター(SD)パベル・ネドベド氏、そしてチーフ・フットボールオフィサーのファビオ・パラティチ氏は、昔からインザーギ監督と深い関係にある。

ネドベド氏とインザーギ監督は現役時代にラツィオでチームメイトだった。2000年のセリエAシーズンで、2人は未だに奇跡と言われているリーグ優勝を果たしている。パラティチ氏はインザーギ監督の家族と子供の時から仲が良く、彼らの実家がとても近かったそうだ。さらにインザーキ監督の兄で同じく元サッカー選手で指導者のフィリッポ・インザーギ氏は、ユース時代からパラティチ氏とはライバルチームで争ったり、チームメイトであったりした。

もちろん、知り合いであることだけでユーベのフロント陣が監督を選ぶわけではないが、監督の人間性やクラブとの信頼関係は大事な要素となる。

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監督としてのスキルも評価されている

ユーベほどのチームをリードする素質があると思われたからこそ、インザーギ監督はユーベの監督候補として取り上げられていた。彼は監督として選手をまとめる才能も持っているし、アスリートから全てのポテンシャルを引き出すことにも成功している。

例えばセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチは、インザーギ監督の元でとんでもない成長を見せている。ルイス・アルベルトは、ラツィオのシステムの中でセリエA最強のミッドフィルダーと言われるほどの選手となった。そして、チーロ・インモービレは、得点が取れないことに困窮していた状況から現在セリエA得点ランキング1位の座にまで登り詰めた。

インザーギ監督のサッカーは、スピードを生かしたポゼッションフットボールで、個人個人のポテンシャルを引き出しながらチームの一体感も出している。現在個人の力のみに頼って勝利を進めるユーベにぴったりの指導者と思いませんか?サッリ監督は素晴らしい監督だが、スタメンと交代メンバーの両方のモチベーションを高めることに失敗している印象を受ける。

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ユーベに相応しい勝利へのメンタリティー

インザーギ監督はユーベに相応しい勝利へのメンタリティーの持ち主でもある。選手時代は兄のフィリッポより目立ってはいなかったが、ラツィオの欠かせない存在として、スタメンの時も交代出場の時もラツィオを勝利に導いていた。

現役を引退してからはラツィオのアッリエーヴィ(U-17)で監督キャリアをスタートし、2013-14シーズンからはプリマヴェーラ(U-20)の監督として、U-20コッパ・イタリアで二度の優勝に導いた。2016年4月3日にステファノ・ピオリ前監督が解任になって、インザーギ監督がトップチームに昇格した。シーズン終了後には現在リーズ・ユナイテッドのマルセロ・ビエルサ監督がラツィオに呼ばれたが、わずか2日で辞任したため、再び監督に就任となった。

その時からサポーターとフロントの信頼を受け、インザーギ監督は自分だけのサッカースタイルを生み出してきた。まだ43歳である彼には指導者としての素晴らしい未来が待っている。様々なビッグクラブを強くする一流監督になるに違いない。