ホームランラグーン設置で千葉移転後最多158本塁打、福浦が26年の現役生活に幕
日本一のソフトバンク相手にパ・リーグで唯一勝ち越したが、3位楽天と2ゲーム差の4位で惜しくもCS進出を逃したロッテ。しかし、種市、安田ら若手選手が着実に成長する1年となり、来季に向けて大補強も敢行した。2019年に起こったロッテの10大ニュースを振り返る。
○福浦和也が引退、最後は超ファインプレーで有終の美
福浦は1993年ドラフト7位で投手として入団。1年目に打者転向し、2001年には首位打者を獲得するなど主力として活躍した。2005、10年の2度の日本一に貢献し、昨季は通算2000安打も達成。9月23日に行われた引退試合では4打数無安打に終わったが、9回に一塁の守備に就くと、2死一塁から日本ハム平沼の打球にダイビングキャッチし、ウイニングボールを掴み取った。
○荻野貴司が10年目で初の規定打席、ベストナイン&GG賞
プロ10年目の荻野が初の規定打席に到達した。今季は125試合に出場し、打率.315、10本塁打、28盗塁の好成績。35二塁打、7三塁打はともにパ・リーグ1位の数字でベストナインを受賞した。守備では自慢の快足を生かし、失策もわずか1の活躍でゴールデン・グラブ賞にも輝き、飛躍の1年となった。
○CSにわずか2ゲーム届かず4位も、日本一のソフトバンクを圧倒
井口政権2年目のシーズンは、楽天と終盤までCS争いを繰り広げたが2ゲーム差で及ばず、69勝70敗4分の4位に終わった。しかし、3年連続日本一になったソフトバンクには17勝8敗と圧倒し、5球団で唯一の勝ち越しとなった。
○ドラ1藤原恭大が球団の高卒野手では54年ぶり開幕スタメン
ドラフト1位ルーキー藤原が楽天との開幕戦で「1番・中堅」でスタメン出場。高卒ルーキーの開幕1軍は球団では1989年の前田幸長氏、高卒野手の開幕スタメンは1965年の山崎裕之氏以来の快挙となった。しかし、6試合の出場で19打数2安打2打点の成績で抹消。ファームで経験を積むシーズンとなった。
○ホームランラグーン設置、千葉移転後最多のシーズン158本塁打
本拠地ZOZOマリンスタジアムでは、今季から外野席の手前に「ホームランラグーン」と呼ばれるエリアが新設され、フェンスの位置がこれまでより最大4メートル手前となった。また、昨季まで8年連続で100本未満だったチーム本塁打数はリーグ3位の158本塁打に増加。ラグーンに入った本塁打はわずか15本だったが、新加入のレアードが32本塁打を放つなど打線の長打力が大幅にアップした。
ドラフトで佐々木朗希を獲得、チームを支えた鈴木大地が楽天へFA移籍
○種市篤暉ら若手投手台頭、安田尚憲がファームで本塁打王&打点王
種市、岩下、二木、小島ら若手投手陣が躍動した。特に高卒3年目の種市は8勝2敗、防御率3.24と飛躍し、日本人投手最多タイの23イニング連続奪三振も記録した。また、高卒2年目の安田はファームで本塁打と打点の2冠に輝き、オフにはプエルトリコのウインターリーグでも15試合で打率.349と結果を残した。
○選手会長の鈴木大地が3度のサヨナラ打&国内FAで楽天に移籍
今季から選手会長に就任した鈴木が3度のサヨナラ打でチームを牽引した。1度目は4月9日のオリックス戦、2度目は6月1日西武戦、3度目は6月16日の中日戦でバットを折られながら右前に運び、9回に5点差を逆転してサヨナラ勝ちした。シーズン3本のサヨナラ打は球団タイ記録。シーズン終了後には国内FA権を行使して楽天に移籍し、新選手会長には益田が就任した。
○ドラフト1位で最速163キロ右腕・佐々木朗希を獲得
10月17日に行われたドラフト会議で大船渡の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手を指名。日本ハム、楽天、西武とのパ・リーグ4球団競合となったが、井口監督が見事に当たりを引き当てた。2位でも大学日本代表の主力を担った強打の佐藤都志也捕手(東洋大)の指名に成功した。
○美馬、福田、ジャクソン、ハーマン獲得で大補強に成功
今オフ、楽天から国内FA権を行使した美馬学投手、ソフトバンクから国内FA権を行使した福田秀平外野手を獲得した。同一年度に複数の選手をFAで補強したのは球団史上初めてとなる。さらには新助っ人として元広島のジェイ・ジャクソン投手、楽天からフランク・ハーマン投手の補強にも成功した。
○FAで鈴木、トレードで涌井、人的補償で酒居が楽天に移籍
鈴木、涌井、酒居の3選手が楽天に移籍した。今季の選手会長も務めた鈴木は国内FA権を行使、在籍6年間で48勝の涌井は金銭トレードで流出。美馬の人的補償では今季20ホールドの酒居が指名された。一方で楽天からは美馬、ハーマン、小野、西巻の4選手を獲得している。(Full-Count編集部)