エース前田、鈴木、新井に“タナキクマル”…広島の10年代ベストナイン

新井貴浩(左)と鈴木誠也【写真:荒川祐史】

2010年代は5度のAクラス、緒方監督のもと3度のリーグ優勝に輝いた

 今季は70勝70敗3分と、惜しくも4位で終えた広島。しかし2010年代には球団初の3連覇を達成するなどAクラスに5度入り、Aクラス入りのなかった2000年代と対照的な、勢いのある10年間を過ごした。そんなこの2010年代を支えたベストナインを選出したい。

【投手】
先発 前田健太
 2007年に広島へ入団。2010年、2015年の2度、15勝を挙げて最多勝と沢村賞を手にした。さらに2012年の防御率1.53など3度の最優秀防御率、2011年まで2年連続で最多奪三振も獲得。その圧倒的な成績で、メジャー移籍前の2015年までエースとして活躍し続けた。

中継ぎ 今村猛
 2010年に入団し、プロ入り2年目から中継ぎとして頭角を現した。3年目の2012年には69試合を投げて防御率1.89、25ホールド4セーブと好成績を残す。2016年には25年ぶりのリーグ優勝に貢献しただけでなく、日本シリーズでは最多タイとなる6試合に登板した。

抑え 中崎翔太
 プロ入り4年目の2015年には開幕1軍入りを果たし、69試合を投げて29セーブ11ホールド、防御率2.34と大活躍。2016年からの3連覇も60試合前後を投げて貢献。中でも2016年にはリーグ2位の34セーブを挙げている。

一塁には18年に現役引退した新井貴浩氏を選出

【内野手】
捕手 會澤翼
 2007年にプロ入りしてからは故障などもありなかなか1軍出場機会に恵まれなかったが、2014年には65試合に出場し、打率.307、10本塁打をマークして台頭。ベストナインには2017年から3年連続で選出され、2018年には大瀬良大地投手と共に最優秀バッテリー賞を初受賞した。

一塁 新井貴浩
 1999年に広島に入団した新井は、2008年に阪神へFA移籍。しかし2014年オフに自由契約となると、広島が再獲得。復帰2年目の2016年には132試合に出場して打率.300、19本塁打101打点と大活躍でリーグ優勝に貢献。2018年オフに現役引退となった。

二塁 菊池涼介
 2012年のプロ入り1年目から63試合に出場するなど活躍し続ける菊池。2016年には打率.315で188安打を放ち最多安打を獲得。2014年には打率.325でリーグ2位に入るなど、7年連続で130安打以上を打ち続ける。またその守備のレベルの高さからゴールデングラブ賞は2013年から7年連続受賞している。

三塁 梵英心
プロ入り1年目の2006年には新人王を獲得した梵は、2010年にはキャリアハイの打率.306をマークし、盗塁王(43盗塁)、ゴールデングラブ賞を獲得。通算1096試合、990安打、打率.264、74本塁打、357打点、135盗塁だった。

遊撃 田中広輔
 プロ入り1年目の2014年から開幕1軍をつかみ取り110試合に出場し、打率.292と即戦力となった。3連覇にもレギュラーとして貢献し、2017年には打率.290、8本塁打60打点をマーク、35盗塁を決めて盗塁王にも輝いた。2018年にはゴールデングラブ賞も初受賞している。

【外野手】
丸佳浩
 プロ入り4年目の2011年にレギュラーとして定着し、以降は100試合以上に出場し続ける。2017年にはリーグ最多の171安打、打率.308、23本塁打92打点と活躍し、2018年にも打率.306、39本塁打97打点で出塁率はリーグトップの.468をマークし、2年連続で最優秀選手に選ばれた。ベストナインは5度、ゴールデングラブ賞は7度受賞している。

鈴木誠也
 2013年にドラフト2位で入団した鈴木はプロ入り4年目の2016年には129試合に出場し、リーグ2位の打率.335、29本塁打95打点を叩き出して一気にブレイク。そこから4年連続で打率3割をキープし、今季は自身最多の140試合に出場して打率.335、28本塁打87打点で首位打者、最高出塁率.453をマークし、4年連続でベストナインに選出された。

エルドレッド
 2012年に広島入りしたエルドレッドは、引退まで7年間カープ一筋でプレーし通算133本塁打を記録。2014年には37本塁打、107打点、打率.260で本塁打王に輝き、オールスターにも出場。今オフに正式に引退を表明した。

【監督】
緒方孝市
 2015年から5年間広島を率い、就任1年目の4位から2016年には25年ぶりのリーグ優勝を果たし、そこから3連覇を達成。自身も3年連続で最優秀監督賞を受賞した。(Full-Count編集部)

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