〔海外〕2019年の災害を振り返る

2019年を締めくくるにあたり、改めて今年発生した海外で発生した大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●1月
【サプライチェーン】メキシコ中部のパイプラインが爆発
[被害]死者125人、負傷者76人
18日17:00頃(日本時間19日08:00頃)、メキシコ・イダルゴ州トラウエリルパンのパイプラインが爆発・炎上し、125人が死亡、76人が負傷した。住民らが、ガソリンを窃盗していたところ引火したことが原因とみられている。なお、2010年同国プエブラ州でもガソリンの窃盗が原因でパイプラインの爆発が発生し、死傷者がでた。

【事故】ブラジル南東部のダムが決壊
[被害]死者166人、行方不明者150人以上
25日午後(日本時間26日未明)、ブラジル・ミナスジェライス州ブルマジーニョで、鉄鉱石採掘世界大手バーレ所有の鉱山ダムが決壊し、166人が死亡、150人以上が行方不明となったほか、ダムから溢れた泥流により、複数の家屋に被害がでた。

【テロ】フィリピン南部のカトリック大聖堂で爆発相次ぐ
[被害]死者27人、負傷者77人
27日08:30頃(日本時間同日09:30頃)、フィリピン・スルー州ホロ島北部にあるカトリックの大聖堂で相次いで爆発が起き、27人が死亡、77人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国」が犯行を主張した。

●2月
【火災】バングラデシュ首都で大規模火災
[被害]死者70人以上、負傷者40人以上
20日22:40頃(日本時間21日01:40頃)、バングラデシュ・ダッカの旧市街で、化学物質を保管倉庫として使われていたアパート1階から火災が発生し、70人以上が死亡、40人以上が負傷したほか、隣接する建物に延焼した。現場は建物が密集する地域で、道路も狭いため多くの人が逃げられず、被害が拡大した。

●3月
【事故】エチオピア航空の旅客機墜落
[被害]死者157人
10日08:40過ぎ(日本時間同日14:40過ぎ)、エチオピア・オロミア州ビショフツ近郊でエチオピア・首都アディスアベバからケニア・首都ナイロビに向かっていたエチオピア航空ボーイング旅客機「737MAX8」がアディスアベバのボレ空港を離陸した直後に墜落し、乗客乗員157人全員が死亡した。

【自然災害】インドネシア東部で豪雨
[被害]死者79人、負傷者70人以上
16日、インドネシア・パプア州ジャヤプラ近郊で、豪雨による鉄砲水や土砂崩れが発生し、79人が死亡、70人以上が負傷したほか、多数の家屋損壊・浸水する甚大な被害となった。同州では3日間で450mmを超える雨量を観測した。

【サプライチェーン】中国東部の化学工場で爆発
[被害]死者64人、行方不明者28人、負傷者600人以上
21日14:50頃(日本時間同日15:50頃)、中国江蘇省塩城市響水県の化学工場で爆発火災が発生し、64人が死亡、28人が行方不明、600人以上が負傷した。また爆風により、周辺の学校や工業団地が壊滅するなど、同国史上最大級の産業災害となった。

●4月
【自然災害】フィリピン北部でM6.1
[被害]死者16人、負傷者81人
22日17:11頃(日本時間同日18:11頃)、フィリピン・ルソン島でM6.1の地震が発生し、16人が死亡、81人が負傷したほか、建物や道路などが損壊した。また、パンパンガ州にあるクラーク国際空港はターミナルビルの天井が崩落し、一時閉鎖する被害となった。なお、この地震により少なくとも50回以上の余震が観測された。

【自然災害】インドネシアで豪雨
[被害]死者約40人、行方不明者13人、負傷者4人、避難者1万2000人、建物損壊数百
26日から27日に、インドネシア・スマトラ島南部ブンクル州で大雨が降り続いた影響で洪水と土砂崩れが発生し、約40人が死亡、13人が行方不明、4人が負傷、複数の町や村の約1万2000人が避難したほか、数百の建物が損壊する被害となった。

●5月
【事故】ロシア首都の空港で旅客機着陸後、炎上
[被害]死者41人、負傷者11人
5日18:30頃(日本時間6日00:30頃)、ロシア・モスクワのシェレメチェボ空港で、モスクワから北西部ムルマンスクに向かっていたアエロフロート航空の国内線旅客機「スホイ・スーパージェット100型機」が緊急着陸後、炎上し、乗客乗員78人のうち41人が死亡、11人が負傷した。

●6月
【自然災害】中国四川省でM6.0の地震
[被害]死者12人、負傷者134人
17日22:55頃(日本時間同日23:55頃)、中国四川省宜賓市でM6.0の地震が発生し、12人が死亡、134人が負傷した。また、多くの建物が損壊・倒壊したため、4000人以上が避難した。その後もM3.0以上の余震が複数発生した。

【安全保障】香港で大規模デモ
[被害]死者2人
9日、中国への容疑者の引き渡しを可能とする逃亡犯条例改正案をきっかけに、香港政府への抗議デモ参加者が1000000人になり、抗議デモが初めて大規模化した。その後もデモは継続的に行われ(2019年12月現在も継続中)、デモ参加者2人が死亡、逮捕者6000人以上となっている。

●7月
【事故】エア・カナダ機乱気流に巻き込まれ緊急着陸
[被害]少なくとも負傷者35人
11日朝、カナダ・バンクーバーからオーストラリア・シドニーに向かっていたエア・カナダ機が、上空で乱気流に巻き込まれ、ハワイホノルル空港に緊急着陸した。この事故で、少なくとも35人が負傷した。同機には乗客約269人と乗員15人が乗車していた。

【テロ】アメリカニューヨークで銃乱射
[被害]死者1人、負傷者11人
27日23:00頃(日本時間28日12:00頃)、アメリカ・ニューヨーク市ブルックリンのブラウンズヴィル地区で開催されていたイベント会場で、何者かが銃を乱射し、1人が死亡、11人が負傷した。

【テロ】アメリカ西部カリフォルニア州で銃乱射
[被害]死者3人、負傷者15人
28日17:40頃(日本時間29日09:40頃)、アメリカ・カリフォルニア州ギルロイで「ギルロイ・ガーリック・フェスティバル」のイベント会場で、男が銃を乱射し、1人が死亡、11人が負傷した。男は駆けつけた警官に現場で射殺された。

●8月
【テロ】アメリカ南部テキサス州で銃乱射
[被害]死者22人、負傷者25人
3日10:30頃(日本時間4日01:30頃)、アメリカ・テキサス州エルパソのショッピングモール「ウォルマート」で、男が銃を乱射し、20人が死亡、26人が負傷した。警察により、拘束された白人の男はメキシコ人を狙ったと供述した。エルパソはメキシコとの国境近くにある。

【テロ】アメリカ中西部オハイオ州で銃乱射
[被害]死者9人、負傷者27人
4日01:00頃(日本時間同日14:00頃)、アメリカ・オハイオ州デートンの繁華街オレゴン地区にあるバーで、男が銃を乱射し、9人が死亡、27人が負傷した。容疑者の男は射殺された。テキサス州エルパソでの乱射事件から24時間以内に2件目の乱射事件が起きた。

【テロ】アメリカ南部テキサス州で銃乱射
[被害]死者7人、負傷者20人以上
31日16:00過ぎ(日本時間9月1日06:00過ぎ)、アメリカ・テキサス州ミッドランドとオデッサを結ぶ幹線道路で、男が郵便配達のトラックを奪い、走行しながら無差別に銃を乱射し、7人が死亡、20人以上が負傷した。容疑者の男は射殺された。

●9月
【セキュリティ】エクアドルでほぼ全ての国民の個人情報が流出
[被害]約2000万人の個人情報流出
16日、エクアドル政府は国民ほぼ全員を含む約2000万人分の個人情報が海外に流出したと発表した。エクアドルの人口約1600万人を上回るため、亡くなられている人の情報も含まれているとみられている。流出したのは名前や生年月日、出生地、住所、メールアドレス、身分証明書番号や納税者番号、銀行口座の残高情報などである。同国のIT企業がセキュリティー不足のサーバーに情報を保管していたことが原因とみられ、サイバーセキュリティー「vpnメンター」が問題を発見した。

【自然災害】インドネシア東部でM6.5の地震
[被害]少なくとも死者20人、負傷者107人、避難者2000人以上
26日08:46頃(日本時間同時間)、インドネシア・マルク諸島でM6.5の地震が発生し、同諸島マルク州で建物の下敷きになるなどして、少なくとも20人が死亡、107人が負傷したほか、2000人以上が避難した。また、道路に亀裂が入り、橋や礼拝堂、州政府庁舎、家屋などが損壊した。周辺では余震が続いた。

●10月
【自然災害】フィリピン南部で地震相次ぐ
[被害]29日:死者9人、負傷者約400人、避難者8400人 31日:死者5人、負傷者9人
29日09:04頃(日本時間同日10:04頃)、フィリピン南部ミンダナオ島でM6.6の地震が発生し、土砂崩れに巻き込まれるなどして9人が死亡、約400人が負傷したほか、約8400人が避難した。また、31日09:11頃(日本時間同日10:11頃)にも同島でM6.5の地震が発生し、5人が死亡、9人が負傷したほか、住宅が全壊するなどの被害となった。

●11月
【自然災害】アルバニアでM6.4の地震
[被害]死者49人、負傷者約650人
26日03:54頃(日本時間同日11:54頃)、アルバニアでM6.5の地震が発生し、49人が死亡、約650人が負傷した。その後も、200回を超える余震が発生、多数の建物が倒壊するなどし、イタリアやギリシャなど周辺諸国からも救助チームが派遣された。アルバニアでは、ここ数十年で最大規模の地震となった。

●12月
【自然災害】ニュージーランド北東沖の火山島噴火
[被害]死者16人、行方不明者2人、負傷者26人
9日14:11(日本時間同日10:11)、ニュージーランドの火山島「ホワイト島」で噴火が発生し、16人が死亡、2人が行方不明、26人が負傷した。同島は無人島の人気観光地で、噴火当時約50人の観光客がいた。なお、先月から火山活動が活発化し、噴火警戒レベルが引き上げられていた。

【自然災害】フィリピン中部に台風直撃
[被害]死者41人、避難者約10万人、家屋損壊約2万6000棟
24日から25日、フィリピン・東サマル州に上陸した台風29号「ファンフォン」の影響で、41人が死亡、約10万人が避難した。また、大雨や強風で土砂崩れの発生、家屋約2万6000棟損壊、道路寸断、航空やフェリーの欠航、停電など広い範囲に被害がでた。最大瞬間風速は54mを記録した。

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