2年連続V逸&3年連続日本一 千賀の快挙、柳田が泣いた日…鷹の2019年10大ニュース

7年契約を結んだソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

2年ぶりに交流戦制覇、工藤監督は続投となり2年契約

 3年連続で日本一に輝いた2019年のソフトバンク。首位を走っていたシーズンでは西武の猛追に遭って逆転を許してV逸したが、短期決戦での無類の勝負強さを発揮した。千賀滉大投手がノーヒットノーランを達成するなど、球界の主役だったソフトバンクの2019年の10大ニュースを振り返ってみよう。

○2年連続V逸&怒涛の10連勝で3年連続日本一
 怪我人が続出する中でも8月まで首位を独走していたものの、終盤に失速。猛打を武器に追い上げてきた西武に最大8.5ゲームあった差をひっくり返されて、まさかの2年連続V逸となった。だが、クライマックスシリーズ(CS)1stステージ初戦で敗れてから、ポストシーズン10連勝。CSファイナルステージで西武、日本シリーズで巨人をスイープし、一気に頂点へと駆け上がった。

○2年ぶり8度目の交流戦制覇
 巨人との一騎打ちとなった交流戦は直接対決の最終戦までもつれ込む接戦となった。勝ったチームが優勝となる6月23日の対戦では「1番・二塁」でスタメン出場した福田秀平外野手の先頭打者本塁打でリード。和田毅投手が5回3安打1失点で651日ぶりとなる復活の白星をあげ、2年ぶり8度目となる交流戦の頂点に立った。
 
○工藤公康監督続投、新たに2年契約
 2年連続でリーグ優勝は逃したものの、3年連続の日本一に輝くと、日本一が決まった深夜に続投が発表された。2015年の監督就任後、リーグ優勝2回、日本一4回、5シーズン全てで2位以上という成績を残した。新たに2年契約を結び、2021年まで指揮を執ることになった。

○千賀滉大が史上80人目ノーヒットノーラン
 9月6日のロッテ戦でエース千賀が“令和初”“育成出身者初”となるノーヒットノーランを達成。5回途中まではパーフェクト、9回には連続四球でピンチを招いたが、無安打のまま、ロッテ打線をねじ伏せた。球団では前身の南海時代に別所昭氏が達成して以来、実に76年103日ぶりの快挙だった。

○柳田が泣いた
 4月7日のロッテ戦で左膝裏に怪我を負い、離脱した柳田。当初は全治3週間ほどとされていたが、実際はもっと重症で実戦復帰までは約4か月を要した。8月8日の2軍戦で実戦復帰を果たすと、その後、報道陣に対応中に思わず瞳から涙が。治るか分からない不安と戦いながら、実戦復帰を果たした安堵感から涙を流したのだった。

オフには柳田が7年契約、森が4年契約を結ぶ

○高橋礼が新人王
 2年目の高橋礼が先発ローテの一角として千賀に次ぐチーム2位の12勝をマーク。ドラフト1位ルーキーの甲斐野との争いを制して新人王に輝いた。オフには野球日本代表「侍ジャパン」のメンバーとして「プレミア12」の優勝にも貢献した。

○史上稀に見る野戦病院…
 開幕前から怪我人が続出するシーズンだった。開幕前に中村晃が離脱すると、股関節の手術を受けたサファテも離脱。シーズン中も柳田や森唯斗、岩嵜翔、バンデンハーク、東浜巨、今宮健太、グラシアル、川島慶三、上林誠知など次々に主力が戦線を離れた。それでも若手やサブのメンバーが奮闘し、8月まで首位の座を守った。

○甲斐野、周東が大ブレーク
 怪我人続出のチームを支えた若手選手の中でもドラフト1位の甲斐野、そして育成から昇格した周東の働きはセンセーショナルだった。甲斐野はチームトップの65試合に登板しセットアッパーとして活躍。森が離脱している間は代役で守護神も務めた。周東は“切り札”の代走として活躍。シーズン終盤になると、登場するだけで大歓声が起こるほどに。2人は侍ジャパンのメンバーとしても活躍した。

○全米ドラ1右腕獲得、バレンティン&ムーア加入、福田はFAでロッテへ
 シーズン中に昨年の米ドラ1右腕カーター・スチュワート・ジュニア投手を獲得。プロ入り前の若手がいきなりNPBに加入するということで、日米で大きな話題となった。オフにはヤクルトを自由契約となったウラディミール・バレンティン外野手とメジャー通算54勝のマット・ムーア投手を獲得。一方で福田秀平外野手はFA権を行使してロッテへ移籍した。

○柳田が7年契約、森は4年契約
 オフの契約更改交渉で柳田が衝撃の7年契約を結んだ。来季が3年契約の最終年だったが、契約を結び直し、メジャー挑戦を封印して2026年までの大型契約を結んだ。また、6年連続50試合登板を果たした森唯斗投手も年俸4億6000万円(金額は推定)で4年契約を結んだ。(Full-Count編集部)

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