2019年、大晦日の世界ボクシング機構(WBO)のタイトルマッチは、3階級制覇チャンピオンのフライ級王者田中恒成が、一段と鋭くなったジャブとスピード豊かな、そして多彩な攻めで同級10位ウラン・トロハツ(中国)を圧倒し、3回KO勝ち。
世界4階級を制覇したスーパーフライ級王者の井岡一翔は同級1位ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)と対戦。リーチ差を生かした相手のジャブやワンツーを序盤、被弾しながらも徹底した接近戦を挑み、中盤以降はペースをつかんで3―0の判定で下した。ともに防衛に成功した。
この一年、井上尚弥がノニト・ドネア(フィリピン)を下しバンダム級のWBSSで優勝、WBCライトフライ級の寺地拳四朗はジャブを軸にした抜群の距離感でV7を達成、KO防衛を続けている。ボクシング界全体の盛り上がりとレベルの高さを象徴する大晦日だった。(構成、共同通信=川崎経大)
まずは井岡戦から写真で振り返る。
そして田中恒成の防衛戦。終始優勢に試合を進めた。