【MLB】韓国人左腕・柳賢振の88億円“不良債権”化を米メディア危惧 「ケガの不安が…」

ブルージェイズに移籍した柳賢振【写真:Getty Images】

米メディア「ブリーチャーレポート」がブルージェイズ入りした柳賢振の“不良債権”化を懸念

 ドジャースからFAとなり、12月下旬に4年8000万ドル(約88億円)でブルージェイズ入りした韓国人左腕、柳賢振投手。巨人からポスティングシステムでブルージェイズ入りした山口俊投手らと共に新天地での躍動が期待されるが、米メディアでは大型契約をつかんだ韓国人左腕の“不良債権”化を心配する声もある。米メディア「ブリーチャーレポート」が伝えている。

 柳賢振は昨季ドジャースで14勝5敗、メジャートップの防御率2.35をマーク。サイ・ヤング賞争いでも2位に入る躍動ぶりだったが、米メディアが不安視しているのが故障がちなことだ。14年から左肩肘などに苦しみ、過去3シーズンでも股関節、首など度重なる故障に悩まされている。同メディアは「もしリュウが実年齢より若い選手だとしても、彼のこういった経歴は将来的に潜む怪我に関する不安が強くなってしまうことだろう」と指摘した。

 次に、同メディアが指摘したのが柳賢振の投球スタイルが新天地にフィットするかだ。米データサイト「ベースボール・プロスペクタス」によると、ドジャースの“守備効率”はMLB2位だったが、ブルージェイズは同19位。守備力は決して高くない上、左腕の持ち味はフォーシームは平均90.6マイル(約145.8キロ)にキレのあるチェンジアップを軸とした打たせて取る投球。打ち取っても味方に足を引っ張られる可能性もある。さらに、強力打線を誇るヤンキース、レッドソックスと同地区。韓国人左腕の苦戦が予想されるというのだ。

 12月の入団会見で、マーク・シャパイロ球団社長は柳賢振の獲得について、「今回の契約は、我々が何年も続けてチャンピオンになるような球団を作り上げるために考え出したプラン、次なるステップだ」と話した。同メディアは14年オフに6年1億5500万ドル(約172億2000万円)でカブス入りし、16年のワールドシリーズ制覇に貢献したベテラン左腕ジョン・レスターの名前を挙げ、「32歳のリュウがすべきことはレスターの役割を担うことだ。そのためには、彼の体の頑丈さと投球スタイルという不利な条件を取り除けるかどうかに寄るところが大きい」と指摘している。

 33歳からシーズンからの4年契約。同メディアは「リュウが健康を保てば、ブルージェイズはこの正真正銘のローテーションNo.1投手の実力を4年間で受けることになる」と期待するが、「リュウはキャリア最高のシーズンを過ごした直後にトロントにやってきた」と視線は厳しい。まずは今季のフルタイムでの活躍が期待される。(Full-Count編集部)

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